6 月 30, 2008

メルクリンの魅力(5)

カテゴリー: メルクリン maerklin, 鉄道模型 railroadmodel — しっぽしゃっぽ @ 9:00 am

6.遊び方スタイル

メルクリンという鉄道模型は、遊ぶ人が自分のスタイルに合った付き合い方をできる模型です。
メルクリンを始める時にある程度遊び方スタイルを意識しておいた方が、後から楽になると思いますので、今日はスペースとは別の意味の規模になる「遊び方のスタイル」について書こうと思います。

鉄道模型という趣味は「物」なので、基本的に空間のキャパシティが最終的な制限になります。わかりやすく言うと、例えば、車両をコレクションしたいと思ったとしても、自分で管理できる範囲がコレクション数の上限になります。

一方で「旅行」とかいった趣味は「行動」なので、これは当てはまりません。お金や時間の制約は発生しますが、生きている限り行きたい場所に無限に行き続けることが可能です。ですので「無秩序にあてもなく旅に出る」といったようなスタイルが可能になります。

メルクリンから発売されている車両数は膨大です。Nゲージも多いのですが、メルクリンも毎年かなりの新製品が発売されます。カタログも毎年更新されますが、1冊は厚さが1cm以上ある本になるほどです。
毎年欲しくなるような製品は発売されますし、それだけ奥の深い、幅のある鉄道模型なのです。
カタログを見てうれしくなって、どんどんと製品を買っていると、やがて保管場所がなくなったり、遊ばない車両が出てきたりします。そこで計画性と管理の必要性が生まれてくるのです。これはいわばメルクリンのポートフォリオです。
もちろん「手当たり次第に場所がなくなるまでやってみる」というスタイルもあると思いますので、そういう方針でも良いかもしれませんが。

出発点であるスターターセットを分析してみましょう。
基本的な(メガとかではない)スターターセットには、電源(アダプタ)と、列車が1編成と、1周と引き込み線程度分の線路と、モバイルステーションが同梱されています。
これでできる遊び方は、モバイルステーションというコントローラーの性能の制約で決まります。

(1)モバイルステーションで主にできること
・2~3列車(編成)までの同時運転(※実際の消費電力により左右されます)
・最大10列車(デコーダー搭載車)までのリスト登録
・最大9個(ライト+マルチファンクションボタン×8)のファンクション制御

※実はモバイルステーションには2種類の製品(スターターセット同梱品とそうではない単体品)があります。これは性能が低いスターターセット同梱品の方のスペックです。
余談ですが、出力電力の関係で、HOスターターセット同梱品タイプのモバイルステーションを1番ゲージで使用することはできません。1番ゲージには1番ゲージのスターターセットに入っているものか単体品を使用する必要があります。

10台までのリスト登録というのは、モバイルステーション内に一度に登録しておける列車の数です。メルクリンでは線路においた機関車を一度コントローラーに登録(自動または手動)してから、呼び出して操作します。各機関車が持っている機能によってボタン等の機能や操作が変わるからです。
例えばRe460という機関車を呼び出した時、モバイルステーションの画面にはRe460が搭載している機能が表示されます。これによって機関車の機能やボタンの役割をいちいち覚えていなくても、直感的に操作ができるようになっているのです。

持っている機関車が10台までなら、すべての機関車をコントローラーに登録できるので、どの機関車を線路に置いてもすぐに走らせることができます。
11台目を買った時点で、これを走らせるためには、他の10台のうちどれか1台の登録を、一度削除しなくてはなりません。つまり列車の管理アドレス帳のようなものです。10個を越えたら入れ替えながら使うことになります(新しいモバイルステーションを買う必要はありません)。

一方、最大9個のファンクション制御というのは、1台の機関車につき9個までのファンクションが操作できるという意味です。ファンクションというのは、ライトのオンオフ、汽笛を鳴らす、煙を出す/止めるといった機関車が持っている機能スイッチのことです。
列車によっては10個以上の機能を装備しているものがあるのですが、モバイルステーションではそのうちの9個までしか操作できません(残りの機能は使えません)、という意味です。

勘違いしやすいのは、モバイルステーションは1個で複数の列車を同時に走行させることができる、という点です。2列車を同時に走らせたいからと言って、2個のモバイルステーションを買う必要はありません。
同時に複数の人が操作する必要がなければ、基本的にコントローラーはひとつでOKです。
メルクリンでは、列車に指示をどんどん出していくという感じで操作をするからです。
A列車に「10段階目の速度で走行」という指示を一度行ったら、A列車は次の指示があるまで、何もしなくても10段階目の速度で走り続けます。この間にB列車に「5段階目の速度で走行」という指示を出せば、A列車とB列車は同時に走り続けます。
レイアウトの上でA列車を先発させて、次にB列車を続行させて、以後は細かくB列車の速度を調整していれば、たとえ単線の線路1本の円周であっても、一人で同時に2本の列車を走らせて遊ぶことができます。

ただし気をつけておかなくてはならないのは、モバイルステーションは列車を操作するには十分ですが、ポイント等のアクセサリの電動/遠隔操作はできません。

モバイルステーションのこういった性能は、普通に1周と引き込み線程度分の線路で遊ぶスタイルでは、必要十分な機能になっています。
なぜかというと、1周と引き込み線程度を広げるようなレイアウトでは、同時に線路上を走る列車は2編成か3編成くらいだからです。それ以上は線路が列車で埋まってしまうでしょう。それでも同時運転や、駅で行き違いしての交互運転が可能です。
ポイントの数は1個か2個程度ですので、手動で切り替えてもあまり手間でありません。
2つか3つの列車をいくつか交代させながら走らせるとすると、列車コレクションの数は10編成程度あれば十分でしょう。コレクションしている列車をすべて登録することができます。
スターターセットに同梱されているような列車はファンクションが9個以下です。また10個以上のファンクションを持つ機関車は少なく値段も高価です。
と考えると、かなりちょうどいい状態であることがわかります。まさに「スターター」状態なのです。

このスタイルの時、しまっておく場所はだいたい棚1段分程度のスペース、遊ぶ場所は畳一畳程度でしょうか。これがいろいろな意味で、メルクリンの最小スタンダードだと言えると思います。
この範囲内で遊ぶスタイル。これは一般の人でも普通に趣味としてできる基本スタイルだと思います。家族や子供さんとも一緒に楽しめるでしょう。衝動買いしてもそんなに文句を言われない範囲だと思います。

これでは物足りない。もっと鉄道模型したい!という人は、次のスタイルにステップアップすることになります。
ここで登場するのがセントラルステーションです。セントラルステーションは、モバイルステーションより上級のプロフェッショナルコントローラーという位置づけです。つまり、モバイルステーションが初級(アマ)とすると、セントラルステーションは上級(プロ)というコンセプトです。

(2)セントラルステーションで主にできること
・複数列車の同時運転(※実際の消費電力により左右されますが6~7編成くらいなら行けます)
・最大16個のファンクション制御
・ポイントやアクセサリの制御
※ポイントを電動遠隔操作するには別途ポイントごとに別売りのデコーダーとポイントマシンが必要になります。その他別売りの機器が必要になるアクセサリもあります。
・メモリー機能
※ポイントやアクセサリの動作を一括登録しておき一度に実行する機能。例えば駅の2番線を開通させるのに、本線のポイント2カ所と構内のポイント1カ所を切り替える必要があるとすると、それを登録しておいてワンタッチですべてのポイントをその状態にすることができる。
・8列車までの単純自動往復運転
・モバイルステーションとの連携
など、レイアウトのほとんどすべての操作が可能になる(カタログの文言)スペックのコントローラーです。

実際、通常のレイアウトならこの1台ですべての操作ができます。まさに運転司令室のようなコントローラーです。
大きさも小型のパソコンくらいですし、大きな液晶のタッチパネルを触って操作する形式なので、本当にパソコンのような製品です。
ただし価格は高くて、コントローラー単体で10万円近い(実売)価格になります。そういう意味でも、これを買うと言うことは、それだけメルクリンにはまるということになるでしょう。

現実には、セントラルステーションを買う時は、ポイントを電動化して遠隔操作したいと思った時になるのではないかと思います。
そこから逆算すると、レイアウトの大きさが部屋いっぱいくらいになって、たくさんの引き込み線と駅の配線ができた時がステップアップの時期でしょう。
そこまで広げなければセントラルステーションは必要ありません。ここを越えて遊ぶかどうかは、ひとつの境界線だと思います。

反対に、将来的にこの規模で遊びたいことが明確になっている人は、最初からメガスターターセットを購入した方が良いです。メガスターターセットにはセントラルステーションと2編成の列車等が最初から入っていて、高いですが極めてお得です。
セントラルステーションがあれば、モバイルステーションは必須アイテムではなく、なくても構わないものだからです。
初期投資は20万円近くになりますが、一気にハイエンドの環境が揃うことは魅力です。

モバイルステーションのスターターセットから入った人も、ステップアップしても、モバイルステーションは無駄はになりません。2台目のコントローラーとして子機のように使えるからです。
たとえば子供や奥様に「つまみを回すだけだから簡単だよ」と言って、モバイルステーションで列車の運転だけさせてあげて、他の制御は自分がやるといった連携の運転ができるのです。
実際にイベントの運転会では、5台のモバイルステーションと1台のセントラルステーションで子供たちにそれぞれの列車を運転してもらったことがあります。中には、汽笛を鳴らしっぱなしにしてしまう子や「まだ幼くて運転操作は無理だから汽笛だけ鳴らさせてほしい」といった要望がありましたが、セントラルステーションとの連携で容易に実現できました。
汽笛を鳴らし続けている機関車がいると(陰でそっと)止めてあげたり、煙のスイッチを切ってしまったことに気がつかず、煙が出ないと言ってる子の機関車の煙を(陰でそっと)出してあげたりすることができます。
それから子供は暴走運転をしがちなので、最初から列車の最高速度を下げて設定しておく(これでどんなに加速しても一定以上には加速しないようになる)ことなどもできるのです。

セントラルステーションを買う頃は、しまっておく場所は棚ひとつ分程度、遊ぶ場所は部屋ひとつ程度になると思います。
前にも書きましたが、メルクリンは走りを追求できる鉄道模型です。
セントラルステーションのこのスタイルが、ひとつの完成形だと思います。これを越えて遊ぶと言うことは、もう鉄道模型マニアの域になるでしょう。
より大きなレイアウト、自動運転、信号システムの導入、ターンテーブルやトラバーサーといった大型設備の導入など、それでもメルクリンには走り続ける要素がたくさんありますので、そういったことにチャレンジしていくことになると思います。

繰り返しになりますが、そこまで行かなくても走らせて楽しめることがメルクリンです。
基本形のスタイルで、1年に1度ずつ新しい列車を買い足したりして遊ぶことだって、かなり面白いはずです(毎年必ず1台は欲しい列車が発売されるものです)。このペースでモバイルステーションのリストがいっぱいになるのには10年かかります。けっこう遊べると思いませんか?

どれだけ伝わったかはわかりませんが、メルクリンは大きくも小さくも、走らせて遊べる模型です。
また、鉄道が好きでなくても楽しい模型でもあると思います。私は鉄道ファンでもあるのですが、メルクリンは好きだけど鉄道ファンではないよ、という方もかなりの数いることに、当初は驚きました。
日本の鉄道模型はそうではないように思います。列車の編成を知らない人、列車の型式番号を知らない人は、模型を遊ぶなんて許されない!なんて雰囲気があるように思います(個人的な感覚ですが)。
変な話、日本の鉄道模型運転会で、新幹線の前に機関車を連結して走らせたら怒鳴られるような気がします。でもメルクリンの運転会で「この編成はおかしい」とか「フランスではこんなことはしない」なんて言っている人を、見たことはありません。
私もそうですが、外国の模型だけに、実物を知らないで買ってしまうこともあると思います。海外で同じ車両を見かけて、「あ、これだ。模型とそっくり!!」(実は逆なのでとても変なのですが)なんて思うこともあります。
とにかく堅苦しくなく遊ぶことができ、現代人の家の中で普通に遊べて、価格も適切なものだということが、伝われば幸いです。

いろいろと書いてきましたが、明日で最終回です。
最後の明日は魅力ではなく、少しだけですが、弱点やリスクについてのお話です。
どんなものでも良いことばかりではないので、あえて悪いところを書きます。

6 月 29, 2008

メルクリンの魅力(4)

カテゴリー: メルクリン maerklin, 鉄道模型 railroadmodel — しっぽしゃっぽ @ 9:00 am

メルクリンの魅力の4回目です。今回も物議がある内容かもしれませんが、とりあえず現状感じているままに書いてみます。

5.場所と収納スペース

価格とできることを書きましたので、今度は場所の問題です。
独身の方、自分である程度好きにできるスペースを持っている方、大きな邸宅に住まわれている方等でない限り、一般の人にとって場所の問題は、鉄道模型を趣味にする上で大きなテーマになってくると思います。
私はジオラマ作りの否定派ではないのですが、現実的には雑誌やテレビで紹介されるような、作り込んだ情景がある固定式のレイアウトというのは、かなり難しい代物だと思っています。
メルクリンのターゲットは大人ですが、普通に家庭があるサラリーマンの男性の立場で考えると、都会では鉄道模型用の固定スペースを得ることは、まず困難だと思います。
「畳一畳あれば・・」なんて言いますが、東京の畳一畳がどの程度の価格であることか。毎日利用するトイレや風呂場のサイズでさえ、広告になってしまうような都会です。
もちろん東京がすべてではないですが、特に都市部では生活必需品でないものについて、恒常的にスペースを占有することは認められにくいと思います。

鉄道模型のレイアウトと同等または大きなものを考えてみます。
一般家庭では、たぶん車(駐車場)、リビングテーブル、ベッドくらいしかないのです。鉄道模型はこたつよりも大きいのです。しかも趣味のもの。こんなものが年中部屋の中にあってOKですという環境は、恵まれているということになると思います。

固定式ジオラマの問題のひとつには、収納できないことがあると思います。
もし、広げた時には部屋いっぱいになるのだけれど、普段はクローゼットの中にしまっておける状態にすることができれば、話はかなり変わってきます。遊ぶ時だけなら仕方がないか・・ということになるのです。

そこで「お座敷レイアウト」がはじめの線路の形態になると思います。
お座敷レイアウトとは、遊ぶ時だけ線路を出して繋げて、遊び終わったら線路を分解してまたしまう形のレイアウトを指します。
板の上に風景を作り込むことはできませんが、ストラクチャー程度なら並べることができますし、毎回線路の形を変えることだってできて、意外と楽しめる形式だと思います。

メルクリンはこのお座敷レイアウトにも向いています(もちろん固定式のレイアウトに向いている線路も用意されています)。
多くのスターターセットに同梱されているCトラックは、まさにお座敷レイアウトにぴったりです。Nゲージやプラレールの線路のように、壊れにくく、組み立て/分解が簡単です。
同じHOの日本製の線路と比較しても、通電性はかなりよく、レールを繋げていっても電圧降下等は起きにくくなっています。
基本的なポイントを電動化した際にも、モーターやデコーダーは線路内に収納されますので、見た目も綺麗ですし配線の手間もありません(普通の線路と同様に繋げるだけです。※一部できないポイントもあります)。
我が家でも、線路は普段クローゼットの中のプラスチックの工具箱に無造作に入っています。子供がおもちゃをしまうように、がらがらと入っているだけです。でも壊れたりしたことは一度もありませんし、走行性能が悪くなったこともありません。布で拭いたりといった手入れもしたことがありませんが、問題なく走れています。
レール面は、クリーニング貨車といって走ると自動的に拭いてくれる貨車があって、これを運転前に1周程度走らせるだけですが、集電不良が発生したことは一度もありません。
このメンテナンス性の良さが、お座敷レイアウトでは重要なポイントだと思います。走らせる時には、すっとだしてさっと走らせたいからです。走らせるまでに何時間もかかるのでは、貴重な趣味の時間がもったいないです。

もうひとつ。メルクリンがお座敷レイアウトに向いている点があります。
それは集電方式が3線式だということです。
3線式とは、左右のレールだけでなく中央のレールからも集電する方式を言います。メルクリンのHOはこの方式を採用しています。実はHO鉄道模型の中では、他社とは大きく異なる方式です。
3線式は走行性能が安定するだけでなく、レイアウト(線路の形)を、自由に設計できるという大きな利点があるのです。

え?線路は自由に敷けるのではないの?という疑問があると思いますが、普通の2線式(例えばNゲージ)線路はそうではないのです。
小判形に敷いている時は問題ないのですが、例えば、線路の端をぐるっと円を描いて180度向きを変えて、また元の線路に合流するような形に敷く(アルファベットのPのような形)と、電気の両極が短絡してしまい、列車が走ることはできないのです。このような配線をリバース配線と言います。
リバース配線は他にもあって、小判形の線路の中を斜めに横断するように(駐車禁止のマークのように)敷いてもだめです。
2線式ではリバース配線の区間は電気的に絶縁する必要があります。また、その区間を意識しないで運転できるようにするために、特別な機器を設置したりする必要があります。これらはその区間に特別な作業が発生するので、お座敷レイアウトには向いていません。
メルクリンでは3線式なので、どのように線路を敷いても、常に中央に対して左右対象になるため、リバース配線の問題は発生しません。絶縁や特別な機器も必要ないのです。

リバース配線の問題は、実はスペースと密接な関係にあります。
2線式のようにリバース配線を避けるためには、レイアウトの形はどうしても小判形を基本とするしかなく、結果として四角い形に一定規模のスペースが必要になるのです。
これは絵で説明する必要がありますので、いくつかレイアウトの絵を描きました。
リバース配線をしないで、本線と駅や引き込み線を実現しようとすると、こんな形になります。

一方で、リバース配線が許されている場合には、こういうことができます。


Aと比較してCの方がホームに止められる列車の有効編成長が長くなることがわかります。

リバース配線に縛られない方が、同じスペースでも多彩な運転ができる線形が組めて、有効活用できるのです。
Dの図のような形であれば、変則的な空間(廊下の一部やデッドスペース)でも、中央の細長いところで見ていると、ひっきりなしに列車が左右から走ってきては駅ですれ違っていくので、少ない編成でもかなり面白い情景を見ることができます。

さらにもっと省スペースを考えた時には、メルクリンがデジタル方式の鉄道模型であることが活きてきます。
最悪、机の上に、一定距離の直線を敷くスペースしか確保できなかったとします。
ポイントが1個だけしかないような(分岐が1カ所で3方向にレールが延びているだけの)レイアウトは、アナログ式の単純な配線では結局1台の機関車でしか遊べません(同じ電気セクション内では同時に動いてしまうため)。
ところが、メルクリンでは縦列駐車のようにしても遊べるため、これだけでも3台程度までの機関車を動かして、入れ替え遊びができるのです。しかも、ライトが点き、音が出て、煙が出たらどうでしょうか。これだけでも十分楽しいのではないでしょうか。
逆転の発想で、これだけの線路で情景を作り込んだ固定式レイアウトを作ったとしても、かなり遊べるような気がします。

私の経験では機関車は箱にしまってしまうとなかなか遊びません。
ちょっとした距離でも出してあって飾ってある機関車は、平日のわずかな時間でも少し音を出してみるとか、ちょっと走ってみるとか、遊ぶ機会が多いように思います。
そういう意味では、お座敷レイアウトであっても、機関車1台くらいはどこかに飾ってあるというような状況が、一般に普通の人が実現できるスペースと収納ではないかと考えます。
このような条件下でも、メルクリンはとても魅力的な鉄道模型だと言えると思います。

6 月 28, 2008

メルクリンの魅力(3)

カテゴリー: メルクリン maerklin, 鉄道模型 railroadmodel — しっぽしゃっぽ @ 9:00 am

4.メルクリンでできること

メルクリンの鉄道模型(HOと1番ゲージ)ではデジタル方式の操作方法が採用されています。
これは日本のNゲージ等で普及しているアナログ方式と、電気の種類や動作の概念が異なります。
つまり同じ鉄道模型でも「遊び方」「遊べる内容が違う」のです。メルクリンの方が幅広い遊び方ができます。

例えば、メルクリンでは次のようなことが可能です。

(1)ひとつの線路の上に、同時に何台もの列車を個別に走らせることができる
本物の鉄道と同じように、各列車(動力車)を個別に操作できます。
Nゲージ等では同じレールの上に複数の動力車を置くと、同時に動いてしまいますが、メルクリンではそういうことはありません。縦列駐車のようになっていても機関車1台ずつを自由に操作できます。
極端な話、正面衝突すらできてしまう操作方法です。もちろん正面衝突を未然に防ぐような設計をすることもできます。

(2)ひとつのコントローラーで、何台もの列車を個別に操作できる
同時に走っている列車が複数あっても、コントローラーはひとつで済みます。
また反対に、コントローラーを複数個用意して複数人で分担して遊ぶことや、コントローラーに親子関係を持たせて、子のコントローラーで運転できる列車を制限したりすることもできます。
この機能は運転会などで、誤って他の列車を操作してしまったりすることを防ぐ目的でも使えます。また一人が列車の運転をして、もう一人が汽笛や煙の操作をするといった使い方もできます。

(3)停まっていてもライトが点く、走行音が出る、煙が出る等、機能が豊富
列車のファンクション(機能)を使用するのに、列車が走っている必要はありません。ライトの明るさも常に明るく一定です。
SLの煙突からは煙が出せます。また列車の速度に合わせて走行音を鳴らすことができます。
一度このような列車を走らせてしまうと、もう無音の列車はつまらなく感じてしまうほどです。
特殊な車両ではクレーンを回転させたり、パンタグラフを昇降させたりすることができるものもあります。

(4)ゆっくり(超低速)でも安定した走行、坂があっても速度は一定、動きが滑らか
線路への給電状態が安定しているので超低速でも安定してゆっくりと走ります。
また上り坂や下り坂で、列車常に一定の速度で走るようになっています。登りだからコントローラーのつまみを回して速度を上げたり、下りで急に加速したりすることはありません。この機能のおかげで、坂のあるレイアウトでも安定した走りができるので、レイアウトの線形によって運転性能が損なわれることはありません。
加減速、発車、停車の動きがとても滑らかです。本物の列車と同様にすーっとした動きを再現できます。

(5)ポイントを電動化しても配線は増えない
列車を増やしたり、ポイントを電動化しても、配線を増やす必要はありません。(※基本的なものに限る。一部のポイントや設備では配線が別途必要になる場合もあります)
レールを繋ぐだけでポイントを遠隔操作することができます(※コントローラーがセントラルステーションの場合)。

(6)コントローラーに画面があるので操作がわかりやすい
列車を操作する際に、コントローラーに画面が付いているので、列車名や図を見て指示が出せます。わかりやすいですし、間違って操作することも防げます。
セントラルステーションを使えば、列車だけでなく、ポイントや信号機等も1つのコントローラーですべて制御できます。また列車を単純に往復運転させたりするような、簡単な自動運転もできます。

どうでしょう。一言で「列車を運転する」と言っても、できることが全然違うことがおわかりいただけるのではないかと思います。
メルクリンを買うと言うことは、自宅が運転司令室になるということだとイメージしてください。
従来の鉄道模型は列車の運転士になることはできました。メルクリンでももちろんできます。しかしそれだけではなく、複数列車を制御したり、信号機によって、列車の運行を確保したりと言った運転司令室の役割も体験することができる模型なのです。

メルクリンでは、コントローラーは電圧の調整機ではありません。インテリジェンスな運行指示機なのです。
従来のアナログ式の鉄道模型では、「運転する」とは、列車の状態(速度等)を目で見ながら、つまみを回して速度を調整することだったと思います。
メルクリンでは違うのです。人間が行うのは列車に指示を出すことです。
速度の調整も感覚的に行うのではなく、明示的に「このくらいの速度で走れ」と指示します。グラフや図形をみて、最高速度の半分の速度で走れ(最高速度は列車個別に設定することさえできます)とか、そういう操作をするのです。

発車する時も徐々につまみを回す必要はありません。いきなり速度を指定すれば、そこまでは列車が勝手にゆっくりと加速して行きます。
信号機をレイアウトに組み込めば、信号機を青にするだけで発車したり、赤にするだけでその位置まで滑らかに減速して停車するのです。
これによって複数の列車が走っている時でも、操作に追われることなく、人間はレイアウト全体の運行状態を把握することができるようになっています。
もちろん運転だけに注力したい人は、アナログ式と同じような運転モードにする(機関車をダイレクトに操作する)こともできます。

ポイントの切換等も革新的です。もう何番がどこのポイントだとか、そういうことは覚えなくていいのです。
セントラルステーションでは、画面上に自分で「3番線を開通させる」「ヤードの5番に開通させる」「外周内周をクロスで開通させる」といったパターンを登録することができ、図形に触るだけですべてのポイントが連動して動きます。
ポイントの切換ミスで脱線や衝突することはかなり減りますし、目視できない位置にあるポイントの操作も安心感があります。

おそらくは実際に見ていただくのが一番で、テキストでどこまで想像していただけるかはわからないのですが、メルクリンが「走る鉄道模型である」ということは、このようなことが、メーカーから発売されている純正品だけで、誰でも手軽にできることを意味しています。

※今日も文字だけですみません。

6 月 27, 2008

メルクリンの魅力(2)

カテゴリー: メルクリン maerklin, 鉄道模型 railroadmodel — しっぽしゃっぽ @ 9:00 am

2.最初に買うもの、いくらかかるの?

最初はスターターセットを買ってください。
スターターセットは、列車、線路、コントローラーがセットになった入門用パックです。
いくつかの種類がありますが基本的に入っている列車が違います。貨物列車が好きな人は貨物列車のスターターセットを買えばいいです。通勤列車が入ったセット、スイスの列車のセット、消防列車のセットなど、様々なセットがありますし、毎年新しいセットが発売されています。

最初から欲張りな人のために、2編成の列車が入っていて、線路も大きなレイアウトが敷けて、さらにセントラルステーションと呼ばれる高機能タイプのコントローラーが同梱になっている「メガ・スターターセット」というものもあります。
本格的にやるぞ!という人は、こちらを選択してください。コントローラー等の詳細な違いは後述します。

値段ですが、普通のスターターセットなら、3万円~6万円台くらいです。Nゲージの入門セットとそんなに変わりません。
メルクリンは高くないです。メルクリンは高いという認識の人が多いですが、決してそうではありません。
日本のHOと比較すれば0がひとつ違うくらい安いですし、Nゲージと比較してもそれほど違うわけではありません。
ただしメガスターターセットは、列車も多いですしコントローラーが違うので、10万円以上します。

これもずばり書いてしまいますが、もし価格が高いお店があったら、そこでは買わないでください。
輸入品なので国内価格には差があります。高いお店ばかりではなく、インターネットで海外通販もできますので、高い価格を付けているお店で買う必要はないです。国内でも良心的な価格の販売店はあります。

スターターセットに含まれている製品を個別で購入すると、スターターセットよりもずっと高くなります。メガ・スターターセットを含めて、どんなスターターセットでもそういう価格設定になっています。
中にはスターターセットに入っている列車だけが欲しくて、初めてではないのにスターターセットを買ってしまう人もいるくらいなので、それほどお得な価格だということになります。
よほどの理由(他人から一式もらったけど不足しているものがあった等)がない限り、スターターセットを買わない手はありません。

それからメルクリンで遊ぶ時に、模型以外にどうしても必要なものがひとつだけあります。
家庭用の変圧器(昇圧機:アップトランス)です。
ヨーロッパの家庭用電源は220V~240V程度なので、製品もそれで動くようになっています。日本では100Vですので、そのままでは使えませんしコンセントの形も違います。
大型の家電量販店に行くと、『ヨーロッパの製品を日本で使えるようにする変圧器』というのを売っていますので、これをひとつ買ってください。電力容量によって何種類かありますが、200VA~300VA程度の普通タイプのもの(数千円のもの)でOKです。

間違わないようで欲しいのは、普通に海外旅行に行く時に使用する「日本の家電をヨーロッパで使えるようにする」ものではないことです。この逆でなくてはいけません。
売り場に出てないこともありますから、店員さんにきちんと言って出してもらうのが安全です。くどいですが、「ヨーロッパで買ったものを日本で使う」ことを念を押してください。

結局、一番小さなスターターセットを買って、昇圧機も買った場合、全部でだいたい4万円くらいになると考えてもらえば良いです。

3.スターターセットを開けて走らせてみる

スターターセットを買ったら箱を開けてみましょう。
メルクリンで問題になることがあるとすると、以下の2点です。

(1)説明書類がすべて外国語
基本的にヨーロッパの各国語で書かれています。ひとつの説明書に英語、ドイツ語、フランス語・・などがいっしょに書かれているのです。
このため説明書を見ただけで「だめだ・・」と諦めてしまう人がいます。こればかりは仕方がないのですが、英語の部分だけを読んでいればOKです。
また英語が読めなくても、図を見ればわかるようになっていますので、図の通りにすれば大丈夫です。

(2)列車が外国の列車
日本の列車は残念ながら1台もないです。この列車なんだろう?と思ったりもします。
あまり細かいことには気にせず、色が気に入った、形が格好いい、映画に出てくるようだ、ということで車両を選んでいけば良いと思います。
車両について調べてみたりするのも、楽しみのひとつになったりするかもしれません。
メルクリンを持っている人のすべてが、外国の列車に詳しいわけではありません。私もデザインで選んだりしています。またメルクリンの運転会では、走らせた時に「それは変だよ」なんて言う人にも会ったことがないです。

どちらもあまり神経質に気にしないでください。
外車に乗るような気分で、模型を楽しんで走らせることができれば良いと思います。

さてスターターセットの話に戻ります。
箱の中には、トランス(電源)、コントローラー(モバイルステーション)、列車、線路、説明書、が入っています。
メガ・スターターセットを買った人は、コントローラーはセントラルステーションという大きなタイプで、列車は2編成分になっています。

まず線路を円形に繋ぎます。
どうすると円形になるかは、箱か説明書に絵が付いていますので、それを見ながらやるといいでしょう。
線路は両端を合わせてカチッと音がするまではめ込むだけです。ほとんどプラレールのような感じでできてしまいます。

線路を外す時は、レール面が上になるように両手で持って、接続箇所で谷折りになるように(V字型になるように)折り曲げます。ちょっと怖いかもしれませんが、やってみると簡単にポキンと外れます。

線路はカーブは、1本につき30度ずつ曲がるので、3本で90度、6本で180度、曲がるようになっています。ぐるっと一周させるには12本の線路が必要です。

直線は、基本線路としては、長さが188mmの線路と172mmの線路があります。188mmを1本と172mmを1本繋ぐと全体で360mmになりますが、これが基本単位のひとつになります。
どうして2種類あるのかは、やがて大きなレイアウトを作っていくうちに体験的にわかってきます。何本も複線を造ったりしていくうちに、長さの調整をする必要があり、それがこの組み合わせで実現できるようになっているのです。

小判型の円周線路を造るには、直線部分の長さが向こう側とこちら側で合ってさえすれば問題ありません。
例えば、向こう側の直線部分を188mm×3、172mm×2で作ったら、こちら側も同じ本数の線路を使えば、必ずぴったりと合った線路を作ることができます。

線路のひとつに、配線を繋ぐためのコネクタボックスが付いている線路があると思います。これに配線を繋ぎます。
説明書の図を見ながら、コネクタの一方の端をコントローラー「モバイルステーション」に、もう一方をトランス(電源またはアダプタ)に繋ぎます。

最後に列車を線路の上に乗せてください。

電源かアダプタをコンセントに差しますが、日本ではヨーロッパのものはコンセントの形も違っていて、そのままは使えないので昇圧機の出番にになります。
トランスの線は昇圧機に繋ぎます。昇圧機の線を日本のコンセントに繋ぎます。
コンセントの形を見て繋げば間違うことはないでしょう。
家庭の壁のコンセント→昇圧機→トランス(アダプタ)という状態になります。

メルクリンのコントローラーには、いわゆる電源ボタンはありません。
コンセントに差した瞬間に電源がオンになりますので、コンセントの線は必ず最後に差してください。

スターターセットでは列車はすべに登録されていますので、モバイルステーションの画面に列車名を出して、すぐに運転するだけです。
モバイルステーションの操作方法は、ホームページにもありますのでそちらも参照してください。

とりあえず簡単に遊べそうだということを理解していただければと思います。
とにかく線路は本当にプラレールのような感じなので、列車を乗せて、コンセントにコードを差せばいいだけです。

これでどれだけのことができるかは、また次回書きたいと思います。

※文章だけですみません。

6 月 26, 2008

メルクリンの魅力(1)

カテゴリー: メルクリン maerklin, 鉄道模型 railroadmodel — しっぽしゃっぽ @ 9:00 am

今日からしばらくの間は鉄道旅行から離れて、ドイツ製の鉄道模型「メルクリン」の魅力について書いてみたいと思います。
私がメルクリンと出会ってから、もう数年が経ちますが、ホームページではその魅力をあまり伝え切れていないと感じています。もちろん一番良いのは実物を見ていただくことで、そういう意味で運転会を行ったり、JAMに参加したりしていますが、こういう場に来られる人は限られています。販売店や百貨店等でもメルクリンを置いてあるところは本当に一部で、特に地方では全く見る機会がないと言ってもいいでしょう。

私も何年か遊んでみて、いろいろなことがようやくわかってきたところです。
いずれはきちんとホームページにまとめたいと思いますが、まずは予行演習としてブログでまとめてみることにしました。

これから書く内容は、鉄道模型に興味がある一般の人を対象にしています。
私は絶対に○○の車両がいい等、特に何かに強い思い入れがあったり、どうしてもNケージがやりたいという強い意志がある人は想定外です。
日本に住んでいて、15歳以上程度で、普通の生活をしている人が、趣味で鉄道模型をやりたいなと思った時の視点で書きます。

0.最初はHOがお奨めです

メルクリンには、Zゲージ、HOゲージ、1番ゲージの3種類の商品ラインナップがあります。
まずはHOゲージを買ってください(あえて言い切ってしまいます)。HOが一番お奨めです。

この3種類の違いは次の2つです。

(1)大きさ
Z:小さい、HO:普通、1番:とても大きい、と考えてください。
それぞれの言葉からイメージする大きさが、たぶんそのまま当てはまります。

(2)システム(遊べる内容)
Z:単純な運転だけ
HO:単純な運転、複雑な運転、多列車の同時運転、自動運転などいろいろ
1番:単純な運転、複雑な運転、多列車の同時運転、自動運転などいろいろ
「遊べる内容」とは、列車と線路とコントローラーでできることです。ジオラマを作ったり、工作したりといったことは別です(それらはどれでもできます)。

つまり同じメルクリンの商品でもできることは違うのです。
(1)(2)を合わせて一番幅広く、簡単に遊べるのはHOです。ですので、以後はメルクリンHOの話として書いていきます。

Zや1番も良いのですが、これらはHOに比べるとマニアックです。HOを遊んで物足りない、またはこうしたいという要求があった時に買うものだと考えれば良いと思います。

特にZゲージは小さいので日本人でもたくさんの愛好者がいます。私ももちろんその一人です。
ただ、一般の人が「小さいから場所も取らないし良いだろう」と思って買うと、長続きしないのではないかと思います。
確かに小さいのですが、逆に扱いにくくメンテナンスも必要になるので、やがて遊ぶ時に面倒だと感じるようになると思います。面倒という表現は適切ではないかもしれません。なんと言うか、HOと比較して「ストレスに感じることが多い」という表現が良いでしょうか。
線路を繋げるのにも神経を使いますし、列車が脱線や停まってしまう確率も多いように感じます。配線も大変(配線しなくてはならない線の数が多い)です。
HOではそのようなことはありません。また、ZとHOでは価格はほぼ同じです。

1.何が面白いのか?何が魅力なのか?

これはずっと説明に苦慮してきましたが、最近、わかってきました。
手軽に列車を走らせることができる!
この一言に尽きます。

え?鉄道模型だから走るんじゃないの?いいえ違うのです。本当にメルクリンが一番手軽なのです。
言い換えると「鉄道模型の形をしたプラレール」だと思ってもらうと良いかもしれません。

(1)扱いが手軽
普通に持っても壊れません。特別な掃除も必要なく、線路に置くだけで、安定して走ります。

(2)線路を敷くのが手軽
Cトラック(メルクリンのHO用道床付線路の商品名)は、まさにプラレールのようにカチカチと繋げるだけです。道床といって線路の土台も付いているので、絨毯の上でもベッドの上でも安定して崩れません。列車も脱線しません。

(3)配線や操作が手軽
配線はわずか1本の線だけ。コントローラーと線路の間に1つのコードを繋ぐだけです。
これだけで全ての列車とファンクション(列車のライトや音の制御等)、ポイントの切換や自動運転までできます。
列車が増やしたり、ポイントを増やしても、部屋をまたがるようなよっぽど大きな線路にしない限り、配線が増えることはありません。
操作もコントローラーひとつだけの簡単操作です。運転会では小学生前の子供さんでもみなさん操作できました。
列車が複数になってもコントローラーはひとつで大丈夫です。

一見当たり前のような気もしますが、これらは日本のNゲージや他社の鉄道模型ではできないことばかりです。
例えば、Nゲージでは電動ポイントをひとつ増やすと配線も1本増えていきます。また2列車を同時に走らせるためにはコントローラーがもうひとつ必要です。
他社のものも改造すればできるよと言う人もいると思いますが、メルクリンは買って箱を開けた時からできるのです。

なぜこんな単純なことに気が付かなかったのでしょうか。
鉄道模型を遊ぶのはいい年した「大人」ですから、いろんなことを複雑に考えすぎていたのではないかと思います。

私は小学生の時にNゲージで遊んでいました。レイアウトを作ったりして楽しかったです。
でも最初のきっかけというか、追い求めていた憧憬は、鉄道博物館にあった模型だと思うのです。
博物館に行くと大きなジオラマがあり、そこにたくさんの模型の列車が次々と走っていく光景に釘付けになりました。でも、これを家庭で実現できた人は何人いるでしょうか。
Nゲージがあっても走る列車は少なくて、とても博物館には勝てないと諦めていたように思います。それはスペースがないから、お金がないから、大きなレイアウトがないからだと思っていました。
実は違うんです!仕組みが違うからできなかっただけなのです。

メルクリンHOを買ってしばらく経ったある日、自宅の部屋に線路を敷いて列車を並べてみました。短期間に随分買ってしまったなと苦笑しながら走らせます。
少しして家の人間が興味を持ったのか部屋にやって来ました。そして鉄道模型を見てこう言ったのです。
「まあ、ずいぶん夢があるじゃない!」
東京の狭い部屋の絨毯の上を5編成の列車が走り回っていました。周回する線路は3本しかないので、同方向に何本か走っていて、頻繁にすれ違ったりします。どの列車も走行音を鳴らし、SLは煙を出していて、音楽を鳴らしている車両まであるのです。どこを見ても必ず走っている列車があります。もちろん操作もできるのですが、それをゆっくり眺めていることができます。
あ、僕の夢はいま叶ったんだ。と、人に言われて初めて気が付きました。

つまり「走る鉄道模型」とは、そういうことなのではないかと思うのです。
私以外にも鉄道模型に対して上記のようなイメージを持っている人は、意外といるのではないかと思います。しかし、現実の鉄道模型がそうではないため、また、従来の鉄道模型の遊び方ではすぐにジオラマ製作や車両の話になってしまうため、いつの間にか鉄道模型の概念が変わってしまっていたということはないでしょうか。

大胆な言い方をすれぱ、走行させるという遊び方にすぐ限界が来る模型だからこそ、ジオラマ製作や車両のディーテールアップ等の方向性に行かざるをえないのだと思います。
メルクリンは「列車を走らせる」ことで遊べる、走りを追求できる模型です。それは鉄道模型の本来の遊び方ではないかと思うのです。

最近、大宮の鉄道博物館に行きました。ここには日本最大級の鉄道模型ジオラマがあります。
子供たちと一緒になって私も夢中になってみてしまいました。
しかしそこで行われていたことは、すべて自宅のメルクリンでできることでした。
メルクリンは外国製品ですので「カシオペア」も「こまち」も車両としてはありません。違いはそれだけです。
代わりにドイツの新幹線ICEや米国の大陸横断特急、フランスの国際列車などが走ります。

そんなメルクリンで、ぜひ遊んでみませんか?

次ページへ »

HTML convert time: 1.082 sec. Powered by WordPress ME