2008 年 1 月のアーカイブ

篠ノ井線・姨捨駅へのパーマリンク

2008 年 1 月 27 日 日曜日

223.jpg松本から長野までを結ぶJR篠ノ井線(線路としては塩尻~篠ノ井間が篠ノ井線です)に「姨捨(おばすて)」という駅があります。その昔、姨捨山の話にあったような年老いたおばあちゃんを山に捨てに行くことから名前が付いたあまり縁起の良い駅名ではありませんが、この駅は別のことでもとても有名なのです。

417.jpg日本三大車窓が楽しめる駅なのです。この駅から眺める善光寺平の眺望はとても素晴らしく、晴れている日中だけでなく、月夜にも観月会が開かれるほどです。


321.jpg長野から篠ノ井線の普通列車に乗って、松本方面に進みます。この区間は、長野と名古屋を結ぶ特急「しなの号」が数多く設定されています。特急に乗っても車窓は楽しめるのですが、普通列車ではさらにもっと楽しめる要素があります。姨捨駅はスイッチバック駅でもあるからです。

618.jpg特急に乗っていると姨捨駅のホームは通過しないで、駅のすぐ下側を通過してしまいます。
でも普通列車なら、坂の途中で一度止まってバックでホームに入ります。そして乗客を降ろすと再び向きを変えて走り出すのです。


137.jpg篠ノ井駅を出た列車は、平野の端に向かって走っていきます。やがて前方に、これから越える山脈が見えてくると稲荷山駅。ここからは山裾をぐるっと回りながら、高度を上げていきます。
必然的に線路の距離が長くなりますので、途中には行き違いのための信号所が設置されています。信号所もスイッチバック構造になっており、たまに貨物列車などが待避しています。


517.jpg進行方向左手に、いままで走っていた平野が眼下に見えるようになり、まさに絶景が広がります。ここが日本三大車窓のひとつです。
するとまもなく列車の速度が落ちてポイントを渡り、見晴らしの良いところで停車します。スイッチバックの折り返し線に入ったのです。少しすると列車は逆方向に走り出します。そして傾斜の途中に作られている姨捨駅のホームに停車します。


1112.jpg姨捨駅は2面2線の対向式ホームの駅です。斜面の上側のホームに駅舎があり、2本のホームは跨線橋で繋がっています。
絶景を楽しむには斜面下側のホームが最高です。きちんとビューポイントが紹介されており、ベンチまで置いてあります。

913.jpg善光寺平の風景だけでなく、斜面にある棚田も見事で、棚田を見るためのポイントにも看板が立っています。駅長さんお奨めとなっていますが、姨捨駅は無人駅なので、普段は駅員さんはいません。


815.jpgしばらくすると、下の方から名古屋行きの「しなの号」がやってきました。特急は一段低くなった本線をあっという間に走り去っていきます。

109.jpg誰もいないホームで素晴らしい眺めを独り占め。これが鈍行列車ならではの贅沢かもしれませんね。

717.jpg青春18きっぷなどを使って旅行には最適の場所だと思います。

駅弁三昧(13)ちくま弁当へのパーマリンク

2008 年 1 月 26 日 土曜日

136.jpg【駅弁データ】
ちくま弁当 おやき 栗おこわ
長野新幹線、篠ノ井線、信越本線:長野駅にて購入


222.jpg信州の名物がぎっしりと詰まったお弁当です。
信州名産十六選と書かれていますが、具だくさんの内容で、栄養バランスも良いのではないかと思います。

お弁当の中央には名物の大きなおやきがひとつ入っています。
ボリューム満点ですので、万人にお勧めできるお弁当ではないでしょうか。

イリオモテヤマネコへのパーマリンク

2008 年 1 月 25 日 金曜日

135.jpg冬の寒い雪の風景が続いたので、暖かい地方の風景にしましょう。やっぱり冬には夏の風景、夏には冬の風景が良いかもしれませんね。
根室で日本最東端の流氷を見ましたので、今度は限りになく西の端に行きましょう。


320.jpg日本最西端は沖縄の与那国島ですが、そのすぐ隣の西表島を紹介します。
突然ですが私は大変な猫好きです。小さい頃は家で何匹もの猫を飼っていました。
西表島にはイリオモテヤマネコという猫が生息しています。イリオモテヤマネコは世界中でこの島しかいない貴重な猫です。
猫好きとしては、こういう貴重な猫を見ないわけにはいかないということで、いつかは絶対に行ってみたいと思っていました。しかし西表島は遠くて、沖縄まで飛行機で行った後に、さらに乗り継いで石垣島に行き、そこからまた船で行かなくてはなりません。北海道よりもずっと行きにくいところなのです。


912.jpg西表島は南国です。この島は沖縄本島に行くよりも、台湾に行く方がはるかに近いという場所に位置としています。ちょっとした海外旅行のような気分です。
島にはハイビスカスなどが咲き乱れて、まさに南国の雰囲気で溢れていました。

221.jpgイリオモテヤマネコは島のシンボルです。観光バスの車体にもその姿が描かれていますし、郵便局にもシーサーの代わりに、守り神のようにして設置されていました。


716.jpgイリオモテヤマネコは島の至る所にいるかというと、そうではありません。この島でも確認されているのは約90匹前後。もう絶滅寸前なのです。
島の道路には「山猫いるよ、気をつけて」という看板がたくさん設置されています。イリオモテヤマネコの大きな死因は交通事故なのです。特に夜間、道路で車にひかれることが多いそうです。なのでこういう看板が立っているのです。


416.jpg西表島には西表野生生物保護センターがあります。ここではイリオモテヤマネコの生態についての資料を見学することが出来ます。
私ははやる気持ちを抑えることが出来なくて、朝早く行ったところ、まだ開館していませんでした。ところが館内には人がいて、私の姿を見るとセンターを開けて見学させてくれたのです。とてもうれしかったです。


516.jpg中には剥製のイリオモテヤマネコが展示されているほか、その生態についての詳しい資料が展示されています。
私が行った際には、保護されたイリオモテヤマネコが飼育されていて、直接は見ることが出来ませんが、モニターカメラで猫の様子を見ることが出来ました。


617.jpgイリオモテヤマネコは「猫」というよりも小型の「虎」に近いフォルムをしています。
剥製を見ると一目瞭然ですが、日本に良くいるイエネコと違って、少し精悍な印象を受ける猫です。ただ、大きさは普通の猫と同じです。


814.jpg島を観光したり、いろいろなところに行ってみましたが、残念ながら野生のイリオモテヤマネコを見ることは出来ませんでした。
猫好きとして、少しでもこの猫の保護に役立てるように、保護センターに、出来るだけの寄付をして帰りました。
90匹という数は絶望的な数字ですが、イリオモテヤマネコが少しでも快適に生活できたらと思います。

鹿と鉄道へのパーマリンク

2008 年 1 月 24 日 木曜日

130.jpg根室を離れる時間が迫ってきました。根室駅の小さな駅舎に人が三々五々集まり始めると、駅員さんが改札を開始します。
来た時と同じ1両編成の銀色の列車です。この列車が本日中に札幌まで行くことが出来る最後の列車になります。
行きは快速でしたが帰りは各駅停車です。ひとつずつこまめに停まっていきます。


319.jpg根室を出ると大きくカーブして、日本最東端の駅である東根室。前々回紹介した駅です。
ここから丘陵地帯の上を走っていきます。断崖絶壁の合間に時折、海が見えます。風力発電の風車もたくさん建っていました。


220.jpg列車が林の中にさしかかると、突然警笛が鳴り響き急ブレーキがかかりました。
事故かなと思って前を見ると、なんと野生の鹿です。それも1頭ではありません。何頭も集まった群れのようです。
鹿は自由に飛び跳ね、駆け回っています。そこにレールがあることなんてお構いなし。ここでは人間の方が部外者なのです。


415.jpgようやく鹿にどいてもらって、先に進むと、また鹿です。少し進んでは減速して、また少し進んでは停まってと、少しずつしか前に進みません。
鹿が珍しい私は運転席の横まで行きカメラを構えます。ちょうど線路をふさぐようにして鹿の家族が散歩中です。こちらの様子を伺っています。

715.jpg一方車内の様子はというと、カメラを持ってはしゃいでいるのは私一人だけで、他の乗客は気にもとめません。いつものことだといった顔で、鹿の方を見ることすらしません。カメラを持っている私の方が珍しいようです。なんだこの観光客は?といった視線で見られてしまいました。動物と暮らすことはここでは日常なのですね。


515.jpg列車がカーブを曲がると、大きな夕日が雪原の彼方に沈んでいきます。
海辺の丘の上には鹿の大群。20頭近くいるでしょうか。カメラのことも忘れて、思わず見とれてしまいました。


616.jpg冬の北国の早い夕日がどんどんと高度を下げていきます。厚岸の辺りですっかり夜になりました。

813.jpg釧路まで戻ってくると、本日の札幌行き最終特急「スーパーおおぞら号」が待っています。乗り換えが済むとほどなく発車。ぐんぐん速度を上げて暗闇の中を疾走していきます。振り子式の列車なのでカーブも高速で通過します。それでも札幌に着くのは深夜です。

納沙布岬と北方領土へのパーマリンク

2008 年 1 月 23 日 水曜日

129.jpg根室駅からバスに乗って納沙布岬へ向かいます。納沙布岬は離島を除くと日本最東端の岬です。
国道をしばらく走って岬に来ましたが、オフシーズンのため周囲は閑散としていました。見学はほぼ私一人です。


219.jpg網走では間近で見ることが出来なかった流氷も、ここでは目と鼻の先にあり、肉眼ではっきりと氷がひしめいている様子がわかります。接岸とまではいきませんでしたが、ようやく流氷を眺めることができました。

414.jpg流氷は日によって海の上を移動しているため、どこで見られるかは運なのだそうです。根室では今朝までは接岸していたらしいのですが、日中晴天になったため、少し沖に流されたようです。流氷の姿が全く見えなくても、風向きによっては一晩で接岸することもあると、地元の方が話してくれました。


318.jpgその流氷の海を一隻の船がゆっくりと走っていきます。しかし船体は錆び付いていて年代物のように見受けられます。
「あれはロシアの船だ」地元の方が教えてくれました。
日本は島国なので、都会で普通に生活していると「国境」というものを感じることはありません。でも、ここではどうでしょうか。手が届きそうな距離を他国の船が行くのです。そこはもう日本ではなくロシア領なのです。
目の前に国境があるという感覚。ものすごく衝撃的でした。
ロシアの船はああして自由に行けるのだけれど、日本の漁船が入ればすぐに拿捕されてしまう。おじさんが呟いた言葉には重みがありました。


514.jpg納沙布岬には北方領土についての展示や資料があり、冊子も配布されています。普段あまり知らない北方領土のことをきちんと勉強することが出来るようになっているのです。
建物の2階には望遠鏡があり、誰でも北方領土の中で一番近い島である歯舞諸島をみることができます。

615.jpg凍った土地の上には、ロシアの軍用施設でしょうか。大きなレーダー塔のようなものと厳つい建物がはっきりと見ることが出来ます。きっと向こうに人がいれば、その姿もわかるでしょう。
ここに立つと緊張感で体が引き締まるのがわかります。一日も早く、北方領土問題が平和的に解決することを願ってやみません。


714.jpg根室市内に帰ってきて辺りを散策してみました。
港の方は氷結していて、流氷が接岸しているかのようでした。
丘の上には公園があり、サイロでしょうか、赤い屋根の可愛らしい塔が3本立っていました。


812.jpg南海の西表島も日本、ここも日本です。西表島が6時の時、根室も6時です。
日本が本当に南北に細長い国だというのが体感できました。この国は魅力がいっぱいの国なのです。