ついに東京マルイから日本型Zゲージ「PROZ」シリーズが満を持して発売されました。
製品発表、夏の国際鉄道模型コンベンションと期待を募らせていただけに、ようやく届いてうれしいです。
PROZの特徴や今後への期待はまた後日書くとして、気になっている人も多いと思いますので、今日はまず製品そのものを紹介したいと思います。
発売日は12月17日でしたが、私は基本ジオラマセットと山手線車両セットを予約していたので、山手線の発売日である21日後にまとめて出荷されました。当初の予定よりも発売が延び延びになったので、今年の春先に入金してからずいぶん待ってからの出荷となりました。
購入したのは、(1)完成ジオラマコース基本セット、(2)山手線7両基本セット、(3)パワーパックの3つです。
17日にはEF65と20系のブルートレインセットが同時に発売されていたので、車両をこちらしておけばもう少し早く届いたと思います。ただ私の世代ではブルートレインは24系車両のイメージが強いので、あえて山手線にしました。
ジオラマコース基本セットの箱はかなり大きいです。メルクリンのスターターセットが小さいことを考えると、Nゲージよりも大きい箱には少々びっくりしました。しかしこれは線路だけではなく、完成した地形や建物が付いているからで、仕方がないかなと思います。
写真のようにこたつのテーブルから少しはみ出る程度、ノッホの大型トランクレイアウトくらいの大きさがあります。
箱にはレイアウトがぎちぎちに詰められていました。取り出してジョイント部を合わせてカチッとはめ込むだけでレイアウトは完成です。数秒の作業であっという間にできるのはお手軽ですごいです。この発想は新規参入メーカーらしくていいですね。
ちなみにジョイントを外すときは、レイアウトを折りたたむようにして持ち上げるだけで簡単に外れます。メルクリンHOのCトラックのような感じです。
レイアウトは単線のオーバルが2周になっています。途中にはトンネルあり、鉄橋あり、駅あり、少しだけですが勾配もあって、変化に富んでいて飽きません。上手に造られていますね。
ジョイント部はコネクタがあるだけでレールは接続されません。
ただし位置はぴったりとかみ合うようになっています。この部分の左右はフィーダーになっているようです。リード線をうまく下から処理しているあるのは目立たなくて好感が持てます。
レールはねじ等でしっかりとレイアウトベースに固定されています。びくとも動きません。
他の構造物も一体成形かしっかりと固定されていて、運んだりする際に気を遣うことはありません。木が二本だけ生えていますが、これもベースにしっかりと突き刺さっていました。
ジオラマ写真の右上の部分にはトンネルが写っていますが、トンネルはまるごと取り外せます。脱線やメンテナンスの対策も完璧です。
トンネルを外すと、トンネル内でレールがクロスしていることがわかります(単純なクロスでダブルスリップではありません)。
ここで列車は外と内のオーバルを入れ替わります。列車は内側のトンネルに入ると外側から、外側のトンネルに入ると内側から出てきます。
給電はレイアウト手前のコネクタに2本配線するだけです。
黒い方がレールへの給電、白い方が建物のLED照明への給電線です。どちらもパワーパックのコネクタと繋ぎます。
ジオラマの付属品として、車が2台、踏切、コンビニの看板、駅の柵が別途梱包されています。輸送中に折れたりすることを避けるためだと思われます。これらもはめ込むだけです(今回ははめ込まずにとりあえず走らせてみました)。
駅の柵だけが別になっているのは、将来的に別のモジュールと接続した際に、駅のホームを延長することが出来るからです。今回は駅の端を柵で止めておくと、情景として違和感がないようになります。
パワーパックはKATO製のNゲージのものに似た形です。鉄道模型をやったことがなくても操作には迷わないと思います。
コントロールつまみはまさにNゲージのKATOと同様の形に付け替えることもできるようになっています。
将来的にポイント切り替え機等をつけられるようにするのか、側面には拡張端子が用意されていました。
車両セットです。山手線色のE231系7両セットです。いきなり7両というのが良いですが、このレイアウトには少々長い感じもします。
上から3台目が動力車でモーターが入っています。その他はすべて付随車です。
線路に並べてみました。パワースイッチはないので、ACアダプタを差し込むと即電源が入り、建物には照明が灯ります。常点灯システムのつまみをひねっておくと、停車中の列車にもライトが付きます。
常点灯システムのつまみで調節できるのは列車のLEDだけで、建物のLEDの明るさは調節できません。常に明るく点きっぱなしです。
駅のホームや建物にも明るく照明が灯って、殺風景なレイアウトも何か楽しげになりました。
どうでしょう。すばらしい存在感です。かなり雰囲気良く再現されています。予想以上にできが良くて驚きました。
車両にはシールが付属していて、きちんと貼れば行き先等も再現できます(写真は箱から出したままの状態です)。
ここまで、箱から出してものの1分でした。まさに手軽に机の上で本格的なレイアウトが楽しめるというコンセプト通りです。今までにないアプローチで完成度はかなり高いです。
常点灯システムですが、かなり明るくて安定しています。コンデンサーがうまく機能しているのか、ちらつきは停車中も走行中もほとんどありません。本当に綺麗です。
部屋の電気を点けていても、写真のように切り通しの壁面に車内照明が映るほど明るいのです。
ちなみに照明を消すとこんな感じですので、差が歴然であることがおわかりいただけると思います。
車両前面の前照灯/尾灯も進行方向によってきちんと切り替わります。コントローラーに切替スイッチがあり、前進/後進を切り替えるとライトも切り替わります。
停車中に常点灯をオンにした状態で、前進→中立→後進とスイッチを切り替えると、列車のライトが、前照灯→オフ(消灯)→尾灯と変わります。
町の部分はこんな感じです。
町としてはやや寂しいですが、部屋の電気を消すとぐっと雰囲気が出ます。
今後発売予定の増設レイアウトパーツで町を大きくすることができるようです。
列車はトンネルの中では一段とライトが綺麗です。全体的に夜景に重点を置いた作りです。
これが動力車です。良いディテールで実車がうまく再現されています。
モーターが非常に上手に処理されていますので、ぱっと見た目には違和感はありませんし、室内灯への影響もありません。他の車両と同様の照明状態です。相当頑張っています。
シングルアーム(パンタグラフ)はプラスチックですが、手動で昇降できますし、あげたまま走行してもトンネルや鉄橋には引っかからないように設計されて造られています。
走行時はモーターの音がややうるさいのが気になりますが、走行性能は極めて安定しています。
線路が完全に固定されていて遊びが全くないことや、ジョイント部の処理を考えると、集電状態はベストとは言えないと思いますが、それでもぎくしゃくせずに滑らかに走ります。相当調整したのではないかと思いますが、技術の粋を集めたという感じが伝わってきます。
これ全部(車両セット、コントローラー、ジオラマ)で価格は5万円程度だと考えると、大変良い出来映えだと思います(私の場合、実売価格で約4万5千円)
さて最後に、このブログを見ていただいている人にとっては気になる実験をしてみました。
メルクリンのZゲージを走らせてみました。ちゃんと走りました。
常点灯システムもそのまま利用できます。写真のGG1は停車状態で撮影したものですが、ちゃんとヘッドライトが点いていることが確認できると思います。
ただし、メルクリンの場合、パンタグラフをあげるとトンネルや鉄橋に引っかかってしまうので、パンタを下ろしておかなくてはなりません。
またGG1ではカーブがきついので、トンネル内のS字とクロスの連続する箇所等で一部脱輪することがありました。小さいSLでは大丈夫でした。
メルクリンを走らせてみると、PROZの車両の優秀さがわかります。耐久性はまだ不明ですが、走りは全然負けていません。専用セットなので安定感ではPROZの方が良いように感じられました。
今後、いろいろな車両を走らせて実験してみようと思います。
ファーストインプレッションとしては非常に良くできている素晴らしい製品だと感じました。失礼ですが、正直ここまできちんとまとまっているとは思っていませんでした。
Nゲージとは客層が異なると思いますので、比較するとかそういう製品ではないと思います。
省スペースで、でもそれなりに、鉄道模型を楽しんでみたいと思っていた人にはぴったりの商品です。
日本型HOのようにめちゃくちゃな高価格ではなく、模型として常識的な価格で、ここまで詰め込んだメーカーの努力は評価できると思います。
メルクリンのように非常に精巧であるとか、架線集電が出来るとか、そういうタイプの模型ではなく、Nゲージをそのまま小さくしたような日本らしい製品です。しかし安定した走行感、ライトの演出といったこだわりに技術を注ぎ込んだ遊べる商品だと思います。
PROZの記事は明日も続きます。