7 月 1, 2008

メルクリンの魅力(6)

カテゴリー: メルクリン maerklin, 鉄道模型 railroadmodel — しっぽしゃっぽ @ 9:00 am

7.気をつけたい点

魅力たくさんのメルクリンですが、当然弱点もあります。
最初から覚悟(というほどでないですが)しておいた方が良い点は、2つだけだと思います。

(1)外国製品なので、あくまでも自己責任で割り切って使う

平たく言ってしまうと保証や安全性は完璧ではないという意味です。もちろん、販売店や海外の通販をしているお店を含めて、粗悪品を売ろうとか騙してやろうということは、まずありません。
しかし現状では、メルクリンの製品で「日本市場向け」のものはありません(かつては製造/販売されていたことがありました)。すべてヨーロッパまたは米国市場向けです。
そのため、カタログや説明書はすべて外国語(ドイツ語、フランス語、スペイン語、英語など欧米の各国語)のものしかありません。日本語で書かれている書類はほぼ皆無です。

また、仕様や安全性についても欧米の基準に準拠していますので、日本での動作は保証してくれません。日本の法律(PL法等)に合致しているわけではなく、保証の対象でもありません。
自分で海外で買ったものを、日本で動かしているという立場になりますので、動作に関しては各自で責任を持つことが前提条件です。
とは言っても先進国の電化製品ですから、そんなにめちゃくちゃな仕様になっているわけではなく、普通に扱っていれば大丈夫です。けれども万が一ですが、昇圧機(アップトランス)を通したらうまく動作しなかったとか、そういう問題が発生した場合には、自分で対処するしかないことになります。
販売店もある程度、相談に乗ってくれる場合もあるとは思いますが、壊れたら自分でドイツに送って修理をしてもらわないとだめだくらいの覚悟でいる必要はあります。

ドイツのメルクリンも小さな会社ですので、特に日本のサービスと比較すると、決してサポートが良いとは言えません。くどいですが悪い会社ではないですよ。ただ世界的に見て日本のサービスレベルの高さは異常に良すぎるので、同じような対応は期待しないでください。
買うことは簡単にできるけど、その後は自分で何とかしなければならない。この点は各自の中で十分に割り切っておく必要があると思います。

(2)日本の列車はない

メルクリンでは日本型の列車(新幹線とか山手線とか)を走らせることはできません。日本の列車は販売されていないからです。
※過去には販売されたこともあったようですが、もう現在のシステムとは異なるのでそのままでは走りません。

同じHOゲージだからと言って日本のメーカーが発売している車両を購入しても、集電方式や採用されているデジタルシステムが異なるため、残念ながら走らせることはできません。
この点は現時点では諦める必要があります。

個人的な経験から言って、日本型車両をメルクリン用に改造して走らせることは不可能ではないのですが、結局はメルクリンのようには走らないので、やらない方が良いと思います。
一番の理由は最小回転半径の問題です。日本型のHOの車両の多くはメルクリンの半径360mmといったカーブを通過することはできません。急カーブ過ぎて車体が曲がらないのです。メルクリンのカーブが急というよりも、日本製品の列車が曲がらなすぎると思います。
日本型の車両を普通に走らせるためには、メルクリンのR4、R5といった規格の、大きなカーブでレイアウトを作る必要があります。しかしこれでは相当広いスペースが必要になりますので、前回までに紹介したせっかくのメルクリンの良いところが損なわれてしまうのです。
それから日本のメーカーが出しているHOゲージは2線式アナログ用がほとんどで、電気系統を大幅に改造する必要があるため、かなりの電気的な知識を要求されることもひとつです。改造してもメルクリンの他の機関車は音も出て煙も出るのに、日本の列車はただ走るだけというのでは寂しいです。音や煙も改造するとなると、もう素人の領域を越えた工作になります。

残念ですが、ここはすっぱりと諦めてください。
みなさんがたくさんメルクリンで遊ぶようになったら、日本市場が開拓されて、日本向けの商品が発売されるかもしれません。日本型を発売させるほど、メルクリンを振り向かせないとだめだと思います。

日本の列車はNゲージ等ではもの凄い数が発売されています。逆にNゲージをデジタルに改造する方が、価格も工作も楽だと思います。
別に鉄道模型はひとつにきめなくてはならないというものではないので、日本の車両はNゲージで、多機能で走らせることはメルクリンでと、分けても良いのではないでしょうか。

ここ6日間、だらだらと書いてきましたが、メルクリンに乗り換えてくださいとは思っていません。
ただ、こういう鉄道模型もあるよと、選択肢のひとつとして考えられたらと感じています。
どうやら今までは「メルクリンは高級品で高い。お金がかかる」「デジタル式は難解でよくわからない」という先入観で手を出せなかった、出さなかった人もいるようです。
これらについては、今回はっきり「そんなことはないですよ」と書いたつもりです。
ちょっとしたお小遣いで買ってみて、週1でも月1でも少し走らせて十分楽しめる、長くつきあえる。子供と一緒に鉄道模型で遊びたいけど、プラレールを大人がするのは恥ずかしい。でも一緒にメルクリンならできるかもなど。そういった目でメルクリンを見てもらえればと思います。

一連の記事に関して、質問やもっと聞きたいことがあれば、メールをもらえればできる範囲内で対応したいと思います。

2 件のコメント »

  1. 6回にわたって連載が続いたメルクリンの魅力
    見事に最終回を迎えましたが、本当にお疲れ様でした。

    最終回はシューの存在や車輪のゴム、ショート客車について触れられると予測していたのですが、日本の車両がないと言うのは灯台もと暗しの着眼、メルクリンの商品群が当たり前になってしまった私には気づけなかった要因です。おっしゃるとおり!日本の車両というのもあれば欲しいですもんね。

    本当に練りに練られた6話!ご苦労様でした。
    私個人としては100%支持できる内容だと思いますので、
    HPのコンテンツ化はとても期待しています。
    完成したら、是非とも色んな人にメルクリンを紹介する入り口と
    なると思いますので、私からもご紹介させて下さいね。

    また大阪にお越しになる時はお知らせ下さい。
    あれこれお話しできる事を楽しみにしております。

    ではでは。

    Comment by RIRO — 7 月 1, 2008 @ 8:53 pm

  2. RIROさん、こんにちは。

    全部読んでいただき、ありがとうございました。
    本当は架線集電なんかについても書こうかと思ったのですが、お座敷レイアウトには向いていないし、上級者向けだと考えてやめました。
    他にも書くことはまだまだあると思いますが、今後ともよろしくお願いします。

    Comment by しっぽしゃっぽ — 7 月 1, 2008 @ 11:55 pm

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