6 月 29, 2008

メルクリンの魅力(4)

カテゴリー: メルクリン maerklin, 鉄道模型 railroadmodel — しっぽしゃっぽ @ 9:00 am

メルクリンの魅力の4回目です。今回も物議がある内容かもしれませんが、とりあえず現状感じているままに書いてみます。

5.場所と収納スペース

価格とできることを書きましたので、今度は場所の問題です。
独身の方、自分である程度好きにできるスペースを持っている方、大きな邸宅に住まわれている方等でない限り、一般の人にとって場所の問題は、鉄道模型を趣味にする上で大きなテーマになってくると思います。
私はジオラマ作りの否定派ではないのですが、現実的には雑誌やテレビで紹介されるような、作り込んだ情景がある固定式のレイアウトというのは、かなり難しい代物だと思っています。
メルクリンのターゲットは大人ですが、普通に家庭があるサラリーマンの男性の立場で考えると、都会では鉄道模型用の固定スペースを得ることは、まず困難だと思います。
「畳一畳あれば・・」なんて言いますが、東京の畳一畳がどの程度の価格であることか。毎日利用するトイレや風呂場のサイズでさえ、広告になってしまうような都会です。
もちろん東京がすべてではないですが、特に都市部では生活必需品でないものについて、恒常的にスペースを占有することは認められにくいと思います。

鉄道模型のレイアウトと同等または大きなものを考えてみます。
一般家庭では、たぶん車(駐車場)、リビングテーブル、ベッドくらいしかないのです。鉄道模型はこたつよりも大きいのです。しかも趣味のもの。こんなものが年中部屋の中にあってOKですという環境は、恵まれているということになると思います。

固定式ジオラマの問題のひとつには、収納できないことがあると思います。
もし、広げた時には部屋いっぱいになるのだけれど、普段はクローゼットの中にしまっておける状態にすることができれば、話はかなり変わってきます。遊ぶ時だけなら仕方がないか・・ということになるのです。

そこで「お座敷レイアウト」がはじめの線路の形態になると思います。
お座敷レイアウトとは、遊ぶ時だけ線路を出して繋げて、遊び終わったら線路を分解してまたしまう形のレイアウトを指します。
板の上に風景を作り込むことはできませんが、ストラクチャー程度なら並べることができますし、毎回線路の形を変えることだってできて、意外と楽しめる形式だと思います。

メルクリンはこのお座敷レイアウトにも向いています(もちろん固定式のレイアウトに向いている線路も用意されています)。
多くのスターターセットに同梱されているCトラックは、まさにお座敷レイアウトにぴったりです。Nゲージやプラレールの線路のように、壊れにくく、組み立て/分解が簡単です。
同じHOの日本製の線路と比較しても、通電性はかなりよく、レールを繋げていっても電圧降下等は起きにくくなっています。
基本的なポイントを電動化した際にも、モーターやデコーダーは線路内に収納されますので、見た目も綺麗ですし配線の手間もありません(普通の線路と同様に繋げるだけです。※一部できないポイントもあります)。
我が家でも、線路は普段クローゼットの中のプラスチックの工具箱に無造作に入っています。子供がおもちゃをしまうように、がらがらと入っているだけです。でも壊れたりしたことは一度もありませんし、走行性能が悪くなったこともありません。布で拭いたりといった手入れもしたことがありませんが、問題なく走れています。
レール面は、クリーニング貨車といって走ると自動的に拭いてくれる貨車があって、これを運転前に1周程度走らせるだけですが、集電不良が発生したことは一度もありません。
このメンテナンス性の良さが、お座敷レイアウトでは重要なポイントだと思います。走らせる時には、すっとだしてさっと走らせたいからです。走らせるまでに何時間もかかるのでは、貴重な趣味の時間がもったいないです。

もうひとつ。メルクリンがお座敷レイアウトに向いている点があります。
それは集電方式が3線式だということです。
3線式とは、左右のレールだけでなく中央のレールからも集電する方式を言います。メルクリンのHOはこの方式を採用しています。実はHO鉄道模型の中では、他社とは大きく異なる方式です。
3線式は走行性能が安定するだけでなく、レイアウト(線路の形)を、自由に設計できるという大きな利点があるのです。

え?線路は自由に敷けるのではないの?という疑問があると思いますが、普通の2線式(例えばNゲージ)線路はそうではないのです。
小判形に敷いている時は問題ないのですが、例えば、線路の端をぐるっと円を描いて180度向きを変えて、また元の線路に合流するような形に敷く(アルファベットのPのような形)と、電気の両極が短絡してしまい、列車が走ることはできないのです。このような配線をリバース配線と言います。
リバース配線は他にもあって、小判形の線路の中を斜めに横断するように(駐車禁止のマークのように)敷いてもだめです。
2線式ではリバース配線の区間は電気的に絶縁する必要があります。また、その区間を意識しないで運転できるようにするために、特別な機器を設置したりする必要があります。これらはその区間に特別な作業が発生するので、お座敷レイアウトには向いていません。
メルクリンでは3線式なので、どのように線路を敷いても、常に中央に対して左右対象になるため、リバース配線の問題は発生しません。絶縁や特別な機器も必要ないのです。

リバース配線の問題は、実はスペースと密接な関係にあります。
2線式のようにリバース配線を避けるためには、レイアウトの形はどうしても小判形を基本とするしかなく、結果として四角い形に一定規模のスペースが必要になるのです。
これは絵で説明する必要がありますので、いくつかレイアウトの絵を描きました。
リバース配線をしないで、本線と駅や引き込み線を実現しようとすると、こんな形になります。

一方で、リバース配線が許されている場合には、こういうことができます。


Aと比較してCの方がホームに止められる列車の有効編成長が長くなることがわかります。

リバース配線に縛られない方が、同じスペースでも多彩な運転ができる線形が組めて、有効活用できるのです。
Dの図のような形であれば、変則的な空間(廊下の一部やデッドスペース)でも、中央の細長いところで見ていると、ひっきりなしに列車が左右から走ってきては駅ですれ違っていくので、少ない編成でもかなり面白い情景を見ることができます。

さらにもっと省スペースを考えた時には、メルクリンがデジタル方式の鉄道模型であることが活きてきます。
最悪、机の上に、一定距離の直線を敷くスペースしか確保できなかったとします。
ポイントが1個だけしかないような(分岐が1カ所で3方向にレールが延びているだけの)レイアウトは、アナログ式の単純な配線では結局1台の機関車でしか遊べません(同じ電気セクション内では同時に動いてしまうため)。
ところが、メルクリンでは縦列駐車のようにしても遊べるため、これだけでも3台程度までの機関車を動かして、入れ替え遊びができるのです。しかも、ライトが点き、音が出て、煙が出たらどうでしょうか。これだけでも十分楽しいのではないでしょうか。
逆転の発想で、これだけの線路で情景を作り込んだ固定式レイアウトを作ったとしても、かなり遊べるような気がします。

私の経験では機関車は箱にしまってしまうとなかなか遊びません。
ちょっとした距離でも出してあって飾ってある機関車は、平日のわずかな時間でも少し音を出してみるとか、ちょっと走ってみるとか、遊ぶ機会が多いように思います。
そういう意味では、お座敷レイアウトであっても、機関車1台くらいはどこかに飾ってあるというような状況が、一般に普通の人が実現できるスペースと収納ではないかと考えます。
このような条件下でも、メルクリンはとても魅力的な鉄道模型だと言えると思います。

4 件のコメント »

  1. 三太と申します.中年のオッサンです.
    小学生のときに初めて買った曲線レールはMトラックの5100で(今でも持っていますが),これは現在のCトラックのR1と同じ,直径720mmの円です.直線レールが数本なら,畳1枚の面積でHOが楽しめるんですよね.

    「畳一畳あれば・・」に思わず反応してしまいました(笑).

    Comment by 三太 — 6 月 29, 2008 @ 11:51 am

  2. 三太さん、こんにちは。

    そうですね。思ったよりも小さな範囲で遊べます。
    それに畳一畳だからと言って、1編成がぐるぐる回るだけじゃないんです!という遊び方もできるので良いですね。

    Comment by しっぽしゃっぽ — 6 月 29, 2008 @ 8:41 pm

  3. しっぽしゃっぽさん。いつもお世話様です。LOKさんに頼んでいるブツが届いたらクローゼットレイアウトを製作する予定でおります。秋には完成予定にしています。インパクトのある作品にしますのでお楽しみに。

    Comment by P-ZUG — 7 月 1, 2008 @ 12:52 am

  4. P-ZUGさん、こんにちは。

    クローゼットレイアウト楽しみです。
    インパクトある作品とのこと。期待しております。

    Comment by しっぽしゃっぽ — 7 月 1, 2008 @ 1:31 am

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