6 月 26, 2008

メルクリンの魅力(1)

カテゴリー: メルクリン maerklin, 鉄道模型 railroadmodel — しっぽしゃっぽ @ 9:00 am

今日からしばらくの間は鉄道旅行から離れて、ドイツ製の鉄道模型「メルクリン」の魅力について書いてみたいと思います。
私がメルクリンと出会ってから、もう数年が経ちますが、ホームページではその魅力をあまり伝え切れていないと感じています。もちろん一番良いのは実物を見ていただくことで、そういう意味で運転会を行ったり、JAMに参加したりしていますが、こういう場に来られる人は限られています。販売店や百貨店等でもメルクリンを置いてあるところは本当に一部で、特に地方では全く見る機会がないと言ってもいいでしょう。

私も何年か遊んでみて、いろいろなことがようやくわかってきたところです。
いずれはきちんとホームページにまとめたいと思いますが、まずは予行演習としてブログでまとめてみることにしました。

これから書く内容は、鉄道模型に興味がある一般の人を対象にしています。
私は絶対に○○の車両がいい等、特に何かに強い思い入れがあったり、どうしてもNケージがやりたいという強い意志がある人は想定外です。
日本に住んでいて、15歳以上程度で、普通の生活をしている人が、趣味で鉄道模型をやりたいなと思った時の視点で書きます。

0.最初はHOがお奨めです

メルクリンには、Zゲージ、HOゲージ、1番ゲージの3種類の商品ラインナップがあります。
まずはHOゲージを買ってください(あえて言い切ってしまいます)。HOが一番お奨めです。

この3種類の違いは次の2つです。

(1)大きさ
Z:小さい、HO:普通、1番:とても大きい、と考えてください。
それぞれの言葉からイメージする大きさが、たぶんそのまま当てはまります。

(2)システム(遊べる内容)
Z:単純な運転だけ
HO:単純な運転、複雑な運転、多列車の同時運転、自動運転などいろいろ
1番:単純な運転、複雑な運転、多列車の同時運転、自動運転などいろいろ
「遊べる内容」とは、列車と線路とコントローラーでできることです。ジオラマを作ったり、工作したりといったことは別です(それらはどれでもできます)。

つまり同じメルクリンの商品でもできることは違うのです。
(1)(2)を合わせて一番幅広く、簡単に遊べるのはHOです。ですので、以後はメルクリンHOの話として書いていきます。

Zや1番も良いのですが、これらはHOに比べるとマニアックです。HOを遊んで物足りない、またはこうしたいという要求があった時に買うものだと考えれば良いと思います。

特にZゲージは小さいので日本人でもたくさんの愛好者がいます。私ももちろんその一人です。
ただ、一般の人が「小さいから場所も取らないし良いだろう」と思って買うと、長続きしないのではないかと思います。
確かに小さいのですが、逆に扱いにくくメンテナンスも必要になるので、やがて遊ぶ時に面倒だと感じるようになると思います。面倒という表現は適切ではないかもしれません。なんと言うか、HOと比較して「ストレスに感じることが多い」という表現が良いでしょうか。
線路を繋げるのにも神経を使いますし、列車が脱線や停まってしまう確率も多いように感じます。配線も大変(配線しなくてはならない線の数が多い)です。
HOではそのようなことはありません。また、ZとHOでは価格はほぼ同じです。

1.何が面白いのか?何が魅力なのか?

これはずっと説明に苦慮してきましたが、最近、わかってきました。
手軽に列車を走らせることができる!
この一言に尽きます。

え?鉄道模型だから走るんじゃないの?いいえ違うのです。本当にメルクリンが一番手軽なのです。
言い換えると「鉄道模型の形をしたプラレール」だと思ってもらうと良いかもしれません。

(1)扱いが手軽
普通に持っても壊れません。特別な掃除も必要なく、線路に置くだけで、安定して走ります。

(2)線路を敷くのが手軽
Cトラック(メルクリンのHO用道床付線路の商品名)は、まさにプラレールのようにカチカチと繋げるだけです。道床といって線路の土台も付いているので、絨毯の上でもベッドの上でも安定して崩れません。列車も脱線しません。

(3)配線や操作が手軽
配線はわずか1本の線だけ。コントローラーと線路の間に1つのコードを繋ぐだけです。
これだけで全ての列車とファンクション(列車のライトや音の制御等)、ポイントの切換や自動運転までできます。
列車が増やしたり、ポイントを増やしても、部屋をまたがるようなよっぽど大きな線路にしない限り、配線が増えることはありません。
操作もコントローラーひとつだけの簡単操作です。運転会では小学生前の子供さんでもみなさん操作できました。
列車が複数になってもコントローラーはひとつで大丈夫です。

一見当たり前のような気もしますが、これらは日本のNゲージや他社の鉄道模型ではできないことばかりです。
例えば、Nゲージでは電動ポイントをひとつ増やすと配線も1本増えていきます。また2列車を同時に走らせるためにはコントローラーがもうひとつ必要です。
他社のものも改造すればできるよと言う人もいると思いますが、メルクリンは買って箱を開けた時からできるのです。

なぜこんな単純なことに気が付かなかったのでしょうか。
鉄道模型を遊ぶのはいい年した「大人」ですから、いろんなことを複雑に考えすぎていたのではないかと思います。

私は小学生の時にNゲージで遊んでいました。レイアウトを作ったりして楽しかったです。
でも最初のきっかけというか、追い求めていた憧憬は、鉄道博物館にあった模型だと思うのです。
博物館に行くと大きなジオラマがあり、そこにたくさんの模型の列車が次々と走っていく光景に釘付けになりました。でも、これを家庭で実現できた人は何人いるでしょうか。
Nゲージがあっても走る列車は少なくて、とても博物館には勝てないと諦めていたように思います。それはスペースがないから、お金がないから、大きなレイアウトがないからだと思っていました。
実は違うんです!仕組みが違うからできなかっただけなのです。

メルクリンHOを買ってしばらく経ったある日、自宅の部屋に線路を敷いて列車を並べてみました。短期間に随分買ってしまったなと苦笑しながら走らせます。
少しして家の人間が興味を持ったのか部屋にやって来ました。そして鉄道模型を見てこう言ったのです。
「まあ、ずいぶん夢があるじゃない!」
東京の狭い部屋の絨毯の上を5編成の列車が走り回っていました。周回する線路は3本しかないので、同方向に何本か走っていて、頻繁にすれ違ったりします。どの列車も走行音を鳴らし、SLは煙を出していて、音楽を鳴らしている車両まであるのです。どこを見ても必ず走っている列車があります。もちろん操作もできるのですが、それをゆっくり眺めていることができます。
あ、僕の夢はいま叶ったんだ。と、人に言われて初めて気が付きました。

つまり「走る鉄道模型」とは、そういうことなのではないかと思うのです。
私以外にも鉄道模型に対して上記のようなイメージを持っている人は、意外といるのではないかと思います。しかし、現実の鉄道模型がそうではないため、また、従来の鉄道模型の遊び方ではすぐにジオラマ製作や車両の話になってしまうため、いつの間にか鉄道模型の概念が変わってしまっていたということはないでしょうか。

大胆な言い方をすれぱ、走行させるという遊び方にすぐ限界が来る模型だからこそ、ジオラマ製作や車両のディーテールアップ等の方向性に行かざるをえないのだと思います。
メルクリンは「列車を走らせる」ことで遊べる、走りを追求できる模型です。それは鉄道模型の本来の遊び方ではないかと思うのです。

最近、大宮の鉄道博物館に行きました。ここには日本最大級の鉄道模型ジオラマがあります。
子供たちと一緒になって私も夢中になってみてしまいました。
しかしそこで行われていたことは、すべて自宅のメルクリンでできることでした。
メルクリンは外国製品ですので「カシオペア」も「こまち」も車両としてはありません。違いはそれだけです。
代わりにドイツの新幹線ICEや米国の大陸横断特急、フランスの国際列車などが走ります。

そんなメルクリンで、ぜひ遊んでみませんか?

4 件のコメント »

  1. どうも書き込みでは始めましてです。
    関西Cトラの忘年会でご挨拶させて頂いたモノです(覚えてるかな?)
    そうです。ZもHOもという話でお隣に座らせて頂いた輩です。

    実は、しゃぽしゃぽさんのHPは私の全ての始まりであったと思います
    ので非常に感謝しております。そして同時に、今回の様なメルクリンの魅力といった総括をしゃぽしゃぽさんがまとめて頂くのを密かに楽しみにしていたのもありました。
    私も結論としてはHOデジタル、もちろんメルクリンHOが一番面白いというのがあるのですが、それを未体感ユーザーに伝えるという難しさをよく感じておりました。百聞は一見に如かずとはこのことで、本当に5感で感じるのが一番説得力があるのですが、どうにかHPや話でそれに近づける方法はないかと(笑)

    流石!今回の内容も痛快なほど言いえていらっしゃいますし、今までのモヤモヤが晴れてちょっとスッキリ致しました。(かなり練りこまれたんじゃないでしょうか)

    今後の更新を楽しみにしております。

    偶然なタイミングながら、私も近日公開予定でHPを練っておりました。
    もし宜しければ、見てやって頂けると嬉しいです。

    突然の書き込みで長々と失礼しました。
    では!

    Comment by RIRO — 6 月 26, 2008 @ 10:10 pm

  2. こんばんは、しっぽしゃっぽさん。

    私がここで発言するのも変ですが、本当に書かれているとおり、メルクリンH0は「鉄道模型のプラレール」です。プラレールの意味はあくまで、その「使い勝手の良さ」としての意味合いです。それを表現するのに最も適している言葉を書いて頂きました。
    今、日本の男の子はそのほとんどが「プラレール」で遊んでいると言います。しかし、その後が続かないのが問題なのだそうです。プラレールを卒業したら「Nゲージ」があるではないかとも言われますが、これがやはり扱いづらく幾ら日本での普及率が高いとはいえ、上手く移行しないようです。
    メルクリンH0なら、プラレールから上手く移行できるでしょう。(私もその1人です)
    問題は、外国形(身近な車両がない)という点と価格でしょうか? あと販売拠点数。その3つの問題点を解決出来れば、今よりもっと多くのメルクリンファンが増えるに違いありません。そしてメルクリンには卒業する年齢がないということは「プラレール」よりも大きなアドバンテージのあるところです。

    Comment by Akira — 6 月 26, 2008 @ 10:50 pm

  3. RIROさん、こんにちは。
    はい、しっかり覚えていますよ。安心してください。

    メルクリンの魅力について、まとめられそうだと思えるまでに、ずいぶん時間がかかりました。最初からおぼろげながらわかっていたとは思うのですが、いまいちうまく表現することができなかったのだと思います。

    まだ練り込んでいる段階なので、こうしてブログで試しに書いてみたのですが、コメントをいただけてうれしいです。
    方向性は共感いただけるのだと思います。

    メルクリンの魅力はどうやらすごく簡単なことのようなのです。
    買ったそのままで、たくさんの列車を線路で走らせることができる。ただそれだけのことを、どうして説明できなかったのだろうと思います。

    本屋さんで販売されている雑誌等を見ればすぐにわかりますが、いまの日本の鉄道模型は、極めてレイアウト(ジオラマ)と車両そのものに偏りすぎていると思います。
    入門セットを買う。その次のステップがジオラマというのは、考えてみればおかしな定義ではないかと思います。ちょっとジャンルが違うような気もしますし。
    列車がどんどんと走っていたら、音が出たら、煙が出たら、面白いでしょう。
    ラジコンだって、走らせていれば面白いわけで、ジオラマを作ってその上で走らせる前に、コース(道路)の上で走らせて遊ぶと思うのです(それで十分という人だって多いはず)。

    今年中には、「風のおひるね」は鉄道だけでなく、全面的にリニューアルしたいと思っています。
    実は写真についても、同様にもやもやと思っていたことがあるのです。
    そういうことが伝わるような内容に変えていきたいと思っています。

    RIROさんのHPも楽しみにしています!!

    Comment by しっぽしゃっぽ — 6 月 27, 2008 @ 4:47 am

  4. Akiraさん、こんにちは。
    ご賛同いただいてありがとうございます。

    問題点のうち、一番大きいのは「販売拠点」だと考えています。とにかく実物を目にする機会が少ないですから。

    残りの2つについては、ブログのコメントなので、ネット上ですが少し私が本当に思っていることを書きます。

    価格の問題は、正確には「適正価格で入手する手段が伝わっていない」ということだと思います。
    販売拠点が少ないために、1つの販売店の価格がすべてであるかのように(比較対象が少なすぎる)思えることです。これは情報の問題もあると思いますが、今日では適正価格で入手できる手段があるので、そういう方法が普及すると良いと思っています。

    外国型は割り切りかなと思っています。
    私も新幹線や日本の特急列車を走らせたいです。
    しかし現実的には、音が出て、記事に書いたような意味で手軽に走らせることができるような日本型の模型は「存在しない」のです。
    私も日本型はNゲージにしても、HOにしても随分買いましたが、メルクリンと比較すると、どれも満足するようなものはありませんでした。大変言い方は悪いのですが、日本の模型は「それで我慢するしかない」状況なのだと思います。
    まだない。だからメルクリンを盛り上げて、その上で走るような日本型車両を作るようなメーカーなり、有志なりが出てくるような環境になれば良いと思います。または日本のメーカーがメルクリンのようなシステムを開発するとかですね。

    鉄道博物館のジオラマを見に行った時、私が走っている模型を見て「あ、カシオペア」とか小声で言っていたら、近くの子供が同じように列車名を叫んでいて、声がシンクロしてしまったのです。隣にいた妻は小学生みたいだと呆れ顔でした。
    鉄道模型の『魅力』はまさにこの部分ではないかと思います。

    いい年したおじさんが、小学生と同じ目線になれるからこそ、お金を出して買って遊ぶのだと思います。
    ジオラマの精巧さとか車両に関する知識とか、それはそれで面白いのですが、それが主体になってしまうと、子供は大人に勝てないです。資金力とか学校のテストみたいになってしまったら、趣味はつまらないと思うのです。
    勝ち負けではなく、走っていたら楽しいと思える根源的な部分をクローズアップできるのがメルクリンの魅力だと感じています。

    Comment by しっぽしゃっぽ — 6 月 27, 2008 @ 5:16 am

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