正午過ぎ、ドアをノックする音で目が覚めた。アロハシャツ姿のボーイが目をこすっている私を見て、ベッドメイキングをするかと申し訳なさそうに尋ねる。友人の分だけをお願いして改めて周囲を見る。
広々とした部屋。天井でゆっくりと回転する大きな扇風機。テラスの向こうには椰子の木と青い入り江が見える。気温も湿度も高い。ああ夏だなと、一夜にして変わってしまった季節に驚いた。
ボーイは、夕方にはホテルの池でエイの餌付けがあるからそれを見たらどうかと、そして、今夜はカクテルパーティーがあるからと案内状を置いていってくれた。とりあえずお礼を言って思い切りノビをしてみる。今日はまだ半日たっぷりと残っている。さあ、バカンスの始まりだ。
ホテル内を一通りざっと見た後、水着に着替えてプライベートビーチに出てみる。きつい南国の日差しの中で、様々な国の人がパラソルの下でうたた寝をしている。ダイバーたちは、みな海に行ってしまったのか年齢層は比較的高めだ。人数も少なく、とても落ち着いた雰囲気である。
ビーチの入口では、ボーイからタオルやシュノーケリンググッズを無料でレンタルできる。ホテルのプライベートビーチの先が、ちょうど魚たちが集まる有名なシュノーケリングポイントになっているのだ。
ビーチから沖に向かって水が腰くらいに来る深さまで進むと、海底に珊瑚の岩場がある。ここまではあまり魚の姿は見受けられない。岩場の先からはやや水深が深くなるので泳ぎながらゴーグルで海中を覗く。
いたいた。色とりどりのきれいな魚がちらほらと泳いでいる。中には私の体をつんつんとしきりに突いてくる魚もいる。実は縄張りを守るために威嚇しているそうだ。
また少し進むと再び珊瑚礁がある。珊瑚の岩の上に立てば海面に顔が出るが、水深は足が着かない程度の浅瀬だ。どうやらここがポイントらしい。様々な種類の魚が、ひらひらと美しい色彩を煌めかせて水中を舞っている。水族館の中に自分も入ってしまったかのような光景である。
魚たちと一緒に泳いでいると、時間はあっという間に過ぎてしまう。そんなに泳いでいた感覚はなかったのだが、部屋に戻ると3時半を回っていた。
シャワーを浴び終えるとすぐに、友人がダイビングから帰ってきた。ほとんど寝ていないから疲れたと言いながらも、エイなどが見られて満足そうである。
陽が傾いてきたので、ボーイからもらったカクテルパーティーの案内状を持ってプールサイドへ向かう。案内状によると、お奨めは『スペシャルココナッツ・ラムパンチ』と書いてある。ドリンクサーバーは椰子の実を丸ごとひとつ取り出すと、ナタを振るって上部を大きくカットし、中にラム酒を注ぎ込んで手渡してくれた。ココナッツのラム酒割といったところか。なかなかいける。
カクテルパーティーも終盤になると、パラオの民族衣装(?)を身につけた人が登場し、歌と踊りが披露される。男性が威勢良く叫ぶ漁師たちの歌のようだ。
太陽が大海原の彼方に黄金色になって落ちていくと、すぐに黒雲がわき上がってスコールがやって来た。パーティーもお開きになり、そのまま屋根のあるレストランに移動した。当初は、パーティーの後はコロールの街の食堂にでも行こうかと話していたのだが、いろいろとつまんでいるうちに十分に満足してしまったので、食後のフルーツを食べただけで部屋に戻った。
|
|
小さな島が並ぶ南国の楽園パラオ |
カクテルパーティーのテーブル |
|