世界最小、Zゲージとの出会い。 2003年1月

 

 年が明けたばかりの2003年1月2日。ふと立ち寄った渋谷の模型店で、とても可愛らしい鉄道模型を見かけました。『Marklin miniclub』(メルクリン・ミニクラブ)は、ドイツのメルクリン社が製造している世界で最も小さな鉄道模型。線路の幅がわずか6.5mmの小さな小さな列車です。

 鉄道模型は、線路の幅によって何種類かに分類されます。ちょうどプラモデルのスケールに該当するようなものだと思えばわかりやすいでしょう。ちなみに、Zゲージのスケールは約1/220になります。日本国内では線路の幅が9mmのNゲージ、16mmのHOゲージなどが有名で、愛好者も製造メーカーも多いようです。
 これらに対してメルクリン社の最小モデルはZゲージと呼ばれています。NゲージやHOゲージは、国内のメーカーをはじめとする多数の模型メーカーが製造していますが、Zゲージを製造しているのはメルクリン社だけ。取り扱っているお店も極端に少ないようです。
 そしてこのZゲージ。実は1972年生まれで私と同い年です。そんなこともあって、しばらく眺めていましたが、結局購入してしまいました(値段はかなり高い・・・)。

 購入したのは『81862 ミニクラブ・スターターセット』と『8198 架線セット』。
 スターターセットは、鉄道模型を走らせるのにとりあえず必要なもの(動力車両と線路、パワーパック)をセットにしたもので、価格的には大変お得な製品です。
 私が買ったのは、30周年記念の特別バージョンで、車両が電気機関車と貨車6両、線路が1周の周回とすれ違い線と引き込み線が計3本、パワーパック、ポイント切替機、配線がセットになったものです。正直言って最初にしてはポイントが4個もついていて線路が複雑すぎると感じていたので、バラバラにもう少し小規模のものにしようと思っていました。ところが店員さんに聞いてみると、バラバラで買うと、パワーパックだけで2万5千円、電気機関車が4万円、ポイントも複雑なものは1万円以上するとのこと。結局、このセットは相当オトクだということがわかったので、思い切ってフルセット買ってしまいました。どうやら、Zゲージに限らず鉄道模型は、最初はスターターパックを購入するようにシステムができているようです。

 Zゲージは小さいのですが、大変精密、精巧に作られています。その例のひとつが『架線集電』。本物の電車と同じように、電気機関車などを実際に線路の上に張った架線から電気を採って走ります。
 一般に鉄道模型は線路から集電して電気の力で走ります。これはNゲージやHOゲージでも同じです。2本ある線路の片方に+、もう片方に−の電気を流して、車両のモーターを回転させる仕組みです。
 私は小学生の頃Nゲージで遊んだ経験があるのですが、そのころは模型として線路の脇に架線柱を置くことはできても、実際に架線から電気を採って走ることはできませんでした。たぶん今でも国内のメーカーのものはそうでしょう。
 メルクリンではこれが実現できるということなので、ぜひやってみたいと思ったわけです。
 もちろんZケージでも、最初は線路から電気を採って走るように設計されています。架線集電で走れるようするためには、架線集電に対応した電車と架線セットが必要になります。ディーゼル機関車やSLは架線集電はできません(本物が電気で動かないから)し、電車でも架線集電に対応していないものは動きません。今回のスターターパックに入っている電気機関車は架線集電ができるものでしたので、せっかくの機会ですからチャレンジです。

 

    まずは電車を走らせてみる。  

 

 家に持って帰ると家族等への説明が大変なので、とりあえずは会社に持っていき、遊んでみることにします。
 さっそくスターターパックの箱を開けてみましょう。
 ビジネス鞄程度の小さな箱なのですが中身はぎっしり詰まっています。一応、日本語のマニュアルらしきものが入っていますが、ほとんどの書類はドイツ語か英語です。しかし、説明がビジュアルでされていますから、文字を読む必要はほとんどありません。
 ただし、箱の表面に「for adults only」と書いてあるように、子供向けというほど簡単ではありません。初歩の理科・電気の知識と工作の心得があった方がいいでしょう。工具はまずは精密ドライバ(−)とニッパが必要になります。
 架線セットの方は、びっくりするほど細かい架線柱と架線がたくさん入っていました。説明書は簡単な紙切れ1枚だけですが、必要なことはすべて図示されています。
 また、このセットではスターターパックのすべての線路を電化することはできません。1周分の周回とすれ違い線を電化するだけのセットです。この上位のセットがあるそうですが、品切れだったので、今後、個別に足りないパーツを買い足していくことになります。

 何はともあれ、線路を敷いてみることにしました。
 直線と曲線の線路がたくさんと、左右のポイント、それからX字型に交差する複雑なポイントが入っています。これらを組み合わせて、箱にデザインされているような形の線路に組み立てます。
 線路は非常に薄くてジョイント部分などは慎重に接続していかないと一発で壊れそうなほどです。以前遊んだことがあるNゲージでは線路の下に基盤となる部分(道床)があり、作りがしっかりとしていましたが、この線路は本当に線路と枕木しかないので、ちょっと力を入れると折れそうになります。また、接続の際にはわりと力を入れないとカチッとはまりません。慎重に線路を繋いでなんとか形にすることができました。
 写真の机は、長さが120cmのものですので、横方向にはけっこうな長さになりました。縦方向は40cm程度です。
 直線の線路のうち1本だけ、フィーダーと呼ばれる電線を配線する突起がついているものがあります。ここにパワーパックの赤と茶の線を結線します。金具で挟み込むだけですので簡単でした。
 ポイントはすべて電動になっており、ポイント脇のボックスから配線が3本ずつ出ていますが、いまはとりあえずそのままにして、まず電車を走らせて見ることにしました。
 赤いトレーがついていて、これで線路に車両を乗せていきます。よく見て乗せないと、脱線しているのかちゃんと乗っているのか細かすぎてわかりにくいです。特に電気機関車は車輪が12個もついているので心配です。
 なんとか線路に乗せたので、さっそく電源を入れてコントローラーをちょっとだけひねってみます。
 おおっ!動いた!動いた!!
 ジーーッというなかなか重厚な音を立てて、がたんごとんと走っていきます。走るとやっぱりうれしいです。
 線路のつなぎ目が、場所によっていい加減で、表面にもでこぼこがあるので、本当にがたんごとんという感じで車体を揺らしながら走っていきます。
 手動でポイントを切り替えたりして、とりあえず全線を無事に走れることを確認できたので満足。しばらくこの状態で遊んでみます。

  【動画】机を走る貨物列車[320x240音声なし]:WMV(843KB)

 走らせてみてわかったのですが、TOMIXや関水が出している国内のNゲージと比較して、Zゲージではいくつか異なる点があります。鉄道模型はZゲージが初めてという人は問題ないと思いますが、Nゲージを経験したことがある人は同じようにするとひっかかります。
 ひとつ目はポイントについてで、TOMIX等のNゲージのポイントでは、電流がポイントの開いている方向にしか流れないようになっています。したがって、すれ違い線を作って、1編成をすれ違い線に止めておいてポイントを切り替えれば、別の線に止めておいたもう1編成に切り替えて運転するといったことができます(選択式と言うそうです)。
 これはZゲージではできません。Zゲージのポイントは、ポイントの閉塞方向に関係なく常に両方に通電されています。ですので、2編成以上を扱う場合には意識的にギャップ(絶縁部分)を設置していく必要があります。ポイントで電流を制御できるようにするパーツも販売はしているみたいなのですが・・。

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