種類はとても豊富です 2004年5月

 鉄道模型には車や飛行機のラジコンと同様にたくさんの種類があります。
 しかも鉄道模型では、遊ぶときに、その種類が重要な要素になります。車や飛行機は、平地や空間を移動しますから、別に大きさや種類が異なっていても大きな問題にはなりませんが、鉄道は線路の上を走行しますから、線路や車両の大きさや種類が違うと、そもそも走れないという状態になります。
 基本的な考え方として、線路の上を走る鉄道模型では、同一のメーカーの車両と線路とコントローラー(列車を制御する機器)が必要です。異なるメーカーの模型を選ぶと、線路の幅が違ったり、制御方式が違ったりと、理由はいろいろですが走れない場合があります。
 欲しいものがある度に、線路と車両と設備(電源など)をその都度に購入していっても良いのですが、それではあまりに不経済なので、まず最初にメーカー(どういう種類の鉄道模型を楽しむか?)を決めることが重要になります。ちなみに当ホームページでは「メルクリン」というドイツのメーカーの製品を中心に遊んでいます。もちろん日本のメーカーもありますし、普通は国内で購入するのであれば日本のメーカーの方がいろいろと便利な点も多いです。

 メーカー以外にも、鉄道模型を遊ぶ上で注意するべきポイントがいくつかあります。大きさ、線路の数、電気の種類(モーターと線路がどういう電気で動いているのか)、制御方式の4つです。この4つをしっかりと把握できれば、異なるメーカーの列車をいっしょに走らせたり、自分で列車を改造して問題を解決したり、より能動的に製品を選択することができるようになります。
 一番最初は特定のメーカーを決めて、そのメーカーが販売しているセット製品を購入する、そして、次に以下の4つのポイントを理解して、製品を自分で選択したり、改造したり、組み合わせたりして遊んでいく・・というのが、発展の方向性になるかと思います。

 

    1.大きさ(=線路の幅)  

 鉄道模型の世界では線路の幅のことを「ゲージ」と呼びます。代表的なゲージには以下のようなものがあります。[幅が狭い=大きさが小さい順に並べました]
 写真があるものは、大きさの違いを示すために、一般的なシャープペンシルを並べて撮影してあります。すべてのゲージで同じ機関車が撮影できませんでしたので、参考情報を。1番ゲージとGゲージの車両は他のゲージの車両よりも、実物そのものが比較的小型のものになっています。

(1)Zゲージ(ゼットゲージ)
 線路幅6.5mm。列車の大きさは実物の220分の1です。列車1両はたばこ1本ほどの小さな模型です。ほとんどの製品がメルクリンというドイツのメーカーでしか扱っていないので、日本の車両はありません。やや高度な取り扱いを要求されます。線路をぐるりと1周させるには机の上程度のスペースが必要です。

(2)Nゲージ(エヌゲージ)
 線路幅9mm。列車の大きさは実物の160分の1です。日本では鉄道模型=Nゲージと認識されているくらい代表的な模型です。日本のメーカーから、日本の車両が数多く発売されており、また取り扱いも比較的簡単です。価格も安価です。線路をぐるりと1周させるにはたたみ1畳程度のスペースが必要です。

(3)HOゲージ(エイチオーゲージ)
 線路幅16mm。列車の大きさは実物の87分の1です。世界的にはこの大きさが一番の主流です。ですので、数多くのメーカーと種類があります。日本の列車も海外の列車も多数ラインナップされています。日本の家屋ではちょっとサイズが大きめです。線路をぐるりと1周させるには物置程度のスペースが必要です。

(4)Oゲージ(オーゲージ)
 線路幅32mm。鉄道模型の歴史の黎明期には主流だったゲージですが、現在は数が少なくややマニアックなアイテムです。おもちゃに例えると、ブリキのおもちゃやセルロイドの人形のような位置づけになるのでしょうか。コレクターの方が収集されていたりします。

(5)1番ゲージ(いちばんゲージ)
 線路幅45mm。列車の大きさは実物の32分の1です。屋内ではかなり大きなサイズになります。車両の種類は他のゲージと比較すると少数です。庭園鉄道やイベントなどで使用されたりもします。線路をぐるりと1周させるには部屋ひとつ程度のスペースが必要です。

(6)Gゲージ(ジーゲージ)
 線路幅45mm。列車の大きさは実物の25分の1です。主に庭園鉄道など、本格的な屋外での走行を考慮した大型の鉄道模型です。1番ゲージと線路幅は同じですが、列車の縮尺が違いますので、同一の車両であればGゲージの方が一回り大きくなります。線路をぐるりと1周させるには部屋ひとつ程度のスペースが必要です。

 これ以外にもまだまだ様々な大きさのゲージがあります。名前も規格もいろいろです。受験教科に「鉄道模型」というのがあったら、きっと『テストに出るぞー!』っていうくらいあります。でも自分が遊ぶモノ以外は覚えなくていいと思います。だってテストなんてないですから。
 とりあえず、最初に大きさを決めて、その大きさにあった車両や機材を揃えることが必要だということだけが重要なのです。
 本物の電車でも、新幹線と山手線は線路の幅が違うので同じ線路を走れません。そんなイメージです。

 

    2.線路の数  

 列車の線路の数は古今東西2本に決まっているじゃないか。いいえ、そんなことはないのです。実際の鉄道でも、急な勾配を登るためには、歯車のついた3本目のレールを使用したりします。
 模型ではレールを2本使う2線式と、3本使う3線式とがあります。

 2線式はごく普通の線路と全く同じです。模型では左右2本のレールから電気を採ります。多くの模型では本物同様に2線式が採用されています。
 3線式は2本のレールの間に、3本目のレールが通っていて、そこから集電します。HOゲージやOゲージなどの一部が採用している方式です。3線式のメリットは、2線式と比較して集電状態が良いことと、複雑な形に線路を組んでいっても絶縁処理が必要ないこと(※リバース配線)の2点です。しかし、見た目として、3本のレールがあるわけですから、本物っぽくないというデメリットもあります。
 また、レールではありませんが、実物の電車と同じように架線を使って電気を流すことができる模型もあります。

2線式の線路。レールは2本。
こちらの形式の方が一般的です。
この写真は1番ゲージの線路です。
3線式の線路。中央にあるぽつぽつとした
突起が3本目のレールです。
この写真はHOゲージの線路です。

※リバース配線とは?
線路を下の図のように配線することです。この形に線路を繋げてしまうと、2線式では電気の+と−がショートしてしまいます。従って、レールに絶縁処理が必要になりますし、運転する際には、リバース内を走行する列車に対して+と−を変換する制御が必要になります。
3線式の場合は、中央のレールと左右のレールに分かれていますので、この問題はそもそも発生しません。

リバース線の例(2線式
リバース線の例(3線式

 

    3.電気の種類  

 大きさや線路の数は目で確認することができるのでいいのですが、これはちょっとわかりにくいですね。
 まずとても大切なこととして、ほとんど全ての鉄道模型は電気で走行します。外見は蒸気機関車であったり、ディーゼル機関車であったりしても、模型の車両は電気で走るのです。これらの電気はほとんどの場合、線路から機関車に取り込みます。つまりレールが電線になっているのです。
 鉄道模型は、レールに電気を流して、機関車のモーターを回転させることによって走っています。電気は家庭のコンセントから採りますが、最終的に列車に流す電気(モーターが要求する電気)が、直流のタイプと交流のタイプがあるのです。
 モーターを搭載している車両(=機関車など)ごとに、直流で走れる、交流で走れる、どちらでも大丈夫など、走行できる条件が決まっています。また、線路を通じて機関車のモーターに電気を送りますので、線路上は直流、交流どちらの電気を流すのかということも決まっています。
 ただし普通は、次の運転方式と合わせて、メーカーごとに製品の規格が決まっています。したがって、同一のメーカーの線路、車両、機器(電源など)で統一して走行する場合は、電気と運転方式のことは、実質的に考える必要はありません。いろんなメーカーの製品を買い揃えたり、複数の種類の鉄道模型を遊ぶようになって、初めて意識する問題です。
 スターターセット(最初に必要なものが全て揃っているオールインワン製品)で始める場合などは、この項目と次の「運転方式」は読み飛ばしてもらっても構いません。必要になったときに覚えれば良いと思います。
 ちなみに本物の電車も、直流のモーターで動くものと交流のモーターで動くもの、直流の電気の地域と交流の電気の地域などがあり、それぞれ走ることができる車両は決まっています。

 

    4.制御(運転)方式  

 線路に電気を流して機関車を制御したり、ポイントを切り替えたり、信号機やライトを点灯させたりするためには、専用の機器が必要になります。例えば列車は、コントローラーと呼ばれる機器で速度や進行方向などを変えて運転します。
 この時、機器からどのようにして列車やポイントなどを制御するかという、制御(運転)方式に様々な種類があります。

 制御方式は、まずアナログ方式とデジタル方式とに区別されます。
 アナログ方式とは、線路に流す電流の向きと電圧を変えることで、列車の向きと速度を制御する方式のことです。
 デジタル方式では、線路には常に一定の電圧をかけておき、機関車ごとに番号を割り当て、その番号に対して個別に信号を送出することによって、列車の向きと速度を制御します。

 アナログ運転は、コントローラーのつまみを回せば線路に乗っている列車が走り出すので、非常に簡単です。動力車両も安く製造することができます。
 しかし、同一線路上に乗っているすべての列車が同時に動いてしまうので、2台の列車を別々に走らせるためには、線路に絶縁処理を施したり、コントローラーを複数個用意しなければならないといった問題があります。
 Zゲージ、Nゲージでは、基本的には(メーカー純正としては)アナログ運転方式が採用されています。

 デジタル運転は、機関車ごとに個別に「前向きに速度3で走行しなさい」「止まりなさい」といような信号を送って、直接列車を1台ずつ制御します。同一線路上でも複数の列車をひとつのコントローラーで、全く別々にコントロールできるメリットがありますが、操作を間違うと正面衝突などの事故も発生します(アナログの場合は、追突はあっても正面衝突は基本的には起こりえません)。
 またデジタル運転の場合には、列車に対して送出する信号の方式に様々な種類があり、同時に各列車に搭載されている信号を受信する機器(デコーダーと言います)にも受けられる信号の方式が定められているため、どの方式を使用するかといったことを考えて車両と機器を選択する必要が出てきます。つまり、機器と列車の両方が同じ方式に対応していないと運転できません。
 デジタル信号の制御方式には、DCC方式、メルクリン方式などがあります。
 けれども、制御方式についても、コレクションの数が多くなってから問題になることですので、最初は気にしなくても大丈夫です。

コントローラーの例
メルクリン純正のデジタル方式運転用(メルクリン方式)。

 

    代表的な組み合わせ  

 以上の組み合わせで鉄道模型は走ります。下に代表的な組み合わせを表にまとめました。
 もちろん、この組み合わせでないと動かないというわけではありません。改造したり、自作していけば、組み合わせは自由です。さらに組み合わせの知識が必要になるのは、きっとだいぶ鉄道模型の世界にのめり込んでからだと思います。
 最初は、「違う種類のものを買っちゃうと走らない」ということが感覚的にわかれば十分です。

主なメーカー
(ブランド)
ゲージ
線路の数
電気
(線路)
制御方式
トミックス Nゲージ
2
直流
アナログ
KATO Nゲージ
2
直流
アナログ
メルクリン Zゲージ
2
直流
アナログ
メルクリン HOゲージ
3
交流
デジタル
(メルクリン)
KATO等
多数
HOゲージ
2
直流
交流
アナログ
デジタル(DCC)