ROCO社製シューに交換 2004年6月

 HOデジタルの3線集電方式は、とても給電が安定していて優れた方式なのですが、真ん中のレールから電気を採るために車両についている集電シューが、走行時にシャーーーッという金属音を発生させることから、うるさい印象があります。昼間はいいのですが、夜間のマンションなどだと気になるという人もいるでしょう。
 このシャーシャー音ですが、原因はシューにありますので、シューを改良することによって、実はかなり軽減することができます。

 純正ではありませんが、ROCO社からメルクリン用の静音集電シュー(AC "whisper wiper")が発売されています。これに換装すると騒音は低減されます。少なくともシャーーーッという金属音は消えて、ほとんど列車の走行音だけになります。

 静音集電シューには、AC "whisper wiper" short(40064)とAC "whisper wiper" long(40065)の2タイプがあります。違いは、単純にシューの長さです。シューと第3軌条の接触長が、短い40064で37mm、長い40065で50mmになります。どちらも1個単位で発売されています。
 購入前に、換装する予定車両のシューの長さを確認してください。私の経験では、機関車等はほとんどの場合、長いタイプがマッチします。短いタイプが合うのは、客車の一部などです。
 また、メルクリンのシューには様々なタイプがありますので、必ずしも全ての車両が簡単に交換できるわけではありません。中には配線をし直したりしなければならない車両も存在します。

 

    交換してみよう(初級)  

 シューの長さがぴったりで、シューから車体のモーターへの集電位置もぴったりで、さらにシューがネジ止めされている場合は、とても簡単です。ネジを外してシューを付け替えるだけで済みます。
 写真の車両は、スウェーデンTKABのRc2型電気機関車です。ライトグリーンのカラーリングが美しい車両です。

メルクリンの純正シューがついた台車です。

ネジを外すと、簡単に台車から分離されます。
台車側の外した部分。シューを支える金具の上の部分が、台車に取り付けられた金属の接点に接触して給電する仕組みです。

ROCO静音シューは、そのままでは、すり板が邪魔になってネジ止めができませんので、いったんすり板を外します。スライドするだけで簡単に外れます。
静音シューのマニュアルにも外し方は記載されています。以前は書かれてなかったのですが、最近、パッケージが新しくなったようです。
また、シューには最初からリード線がついていますが、今回は不要なので、これも外しておきます。

台車にネジ止めします。
すり板を取り付けて作業完了。ものの数分です。
きちんと並行にずれなく取り付けられているかどうかをチェックします。
換装したら、試験走行しましょう。この写真のような直線区間だけでなく、ポイントを複雑に繋げて、様々なルートで問題がないか確認してください。

 

 

    交換してみよう(中級)  

 シューの長さと位置は合うのだけれど、シューがネジ止めではない時などは、金具を一度取り外して、アタッチメントを交換する作業が必要です。でも、そんなに難しい工程ではありません。
 写真の車両は、このホームページではおなじみの、ハンガリー国鉄1047型電気機関車。私のHO最初の記念すべき車両です。

メルクリンの純正シューがついた台車です。
この機関車の場合、中央にネジがなく、アタッチメントが、台車にはめ殺しのような方法で取り付けられています。(ちょっと暗くてわかりにくいですね。すいません)

アタッチメントを外したところです。金具と接触させる方式は同じです。
黒い部分がアタッチメントです。ROCOのアタッチメントとは形が違いますから、この部品はそのまま使わなくてはなりません。
そこで、折り曲げてあるシューの金具を精密ドライバーで持ち上げて 外します。

ROCO静音シューです。こちらのアタッチメントは使用できないので、同様に金具をいったん曲げて外しましょう。
リード線も外しておきます。

こんな感じで外します。
メルクリンのシューについていたアタッチメントを、ROCOのシューに取り付けます。
この場合は、たまたま取り付け位置がぴったり合っていたのでラッキーです。
取り付けたら、金具は元のように折り曲げておきます。
パチンと音がするまではめて換装終了。
試験走行します。
サウンドがある機関車は、静音シューにすると、サウンドが際だって聞こえるような気がします。

 

 

    交換してみよう(上級)  

 シューの長さがそもそも全然違うとか、車両への給電位置が大きく違っているとか、別途配線が必要とか、一工夫しないと交換できないタイプの車両もあります。
 写真の車両は、SLラインゴルト号を牽引するS3/6蒸気機関車とラインゴルト号の最後尾の客車(手荷物運搬車)です。
 ラインゴルト号は、動力車であるSLの他にも客車に照明がついており、そのための電気を最後尾の客車についたシューから集電しています。ですので、両方を換装しないと騒音効果はあまりありません。両方ともそれなりに工夫が必要になります。初級、中級と違ってハンダゴテがいります。

まずは手荷物運搬車の方からです。
この客車は短いタイプでOKのようです。

純正シューを外したところです。
車内 照明に電気を送るためのリード線が付いています。
リード線は、別の金具にハンダ付けされています。
ハンダでリード線を外して、シューを完全に取り外します。

ROCO静音シューです。
今回はリード線を使用します。

リード線を元あった位置にハンダ付けします。
シューのすり板をいったん外して、金具をネジ止めします。
すり板を取り付けて完了です。
リード線が、走行の邪魔になったり、車輪に巻き込まれないように、長さや位置を調整してください。
今度は、S3/6型SLの方です。
この子はちょっとやっかいです。というのも・・・
外してみるとわかるのですが、接点金具の位置が大きくずれていて、ROCOのシューでは金具まで届かないのです。
ネジ止め位置が何カ所か切られている場合もありますが、今回はどの位置に取り付けてもだめな状態にあります。
仕方がないので、接点とシューの金具自体を、短いリード線で直結しました。双方をハンダで短絡します。
ネジ止めします。
すり板を付けてできあがり。
ちゃんと走行できるようです。
ポイントも入念にチェックしましたが、大丈夫でした。